本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

お鉢が回ってくる ?

2009-03-27 22:00:59 | 住職の活動日記
 『 お鉢が回る 』 とか、

今ではあまり使われなくなったのかもしれませんが?

 私は勘違いしていました。


   …   …

 明日の 「 お不動さま 」 を控えて、その準備に

深良さんがやってきました。

 一応の準備も終わり、ティータイム

そして、御経の稽古です。

 「 よし ! 明日は声明の頭 ( とう ) をしましょう 」

ということで、猛特訓です。



    


 シンバルのような、仏具の一つなんですが、

『 妙鉢 』 ( みょうはち ) といいます。



    




 ちょっとしたコツで、ジャンジャラジャ~ン といっていた音が、

本当に 「 妙なる 」 音に変ってくるのです。


 本山にいる時も、法要の時 「 讃頭 」 ( さんとう )

をお願いします。

 と、言われることがあります。

これは声明の最初の声を出して、皆をリードしていくのですが、

そして、最後に 「 妙鉢 」 をたたくのです。

全員が、一番苦手な役目でして、

お互いに譲り合うのです。

しかし、どうしても引き受けなければならなくなってきます。

 「 妙鉢 」 のことをお寺では

簡単に 「 鉢 」 と呼んでいます。

そこで、


  嫌なことが回って来ることを

 『 お鉢が回ってくる 』  ???   

  と、思っていたのです。


ところが、辞書を調べてみると、どうも違うようです。

 『 鉢 』 とは 「 米櫃 」 のことのようで、

本来は、やっと米櫃が回ってきて  

というような意味で使っていたようです。


    


 しかし、修行時代は 『 お櫃 』 当番になると、

皆が、次々と 「 お代わり 」 といって、茶碗を出してきて

当番に当たると、自分が食べる暇が無いのです。

 そして、最後には 『 お櫃 』 にお茶を注いで、お櫃の周りに付いた

ご飯粒を全部流して頂くのです。

 ですから、極力、おひつの周りにご飯粒が付かないように、

ご飯を注ぐ技、が大変なのです。


 このことからも、

『 お鉢が回ってくる 』 

 ということは、あまりいい意味ではないようにも思っていたのです。


  『 お櫃 』 ( おひつ )

 という言葉も死語になってしまいました。

 今では、ほとんど見ることはありません。

 今使われているのは 「 お寿司屋さん 」 ぐらいでしょう。

 ジャーのようなもので、ご飯を入れておくものなのです。

 木で出来ていますので、ちょうどいい水分調節が出来て

 ご飯がとても美味しくいただける、優れもので、

    なのですが、

 なにせ、手入れが大変で、今ではほとんど使われなくなってしまいました。


 
 話がそれてしまいましたが、

 深良さんと稽古しているときに、

 この話題で、

 「 そうだったのか 」

 ということになったのです。


 『 深良さん 』 明日の 讃頭と妙鉢

  楽しみにしています。 


        
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