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本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

資生行

2018-06-12 20:37:31 | 十地経

いつも唱えている『理趣経』にも

「資生」という言葉が出てきます。

『理趣経』というお経は

他のお経と違って読み方が漢音で

読んでいきます。

ほとんどのお経は呉音で発音します

たとえば、

「如是我聞」ニョゼガモンを

理趣経では「ジョシガブン」と

漢音読みです。

そのせいか、

お経も独特な響きというか

それによってでしょうか

漢字の文字が飛び込んでこない

ということもあり

ついつい見逃してしまうことも

多々あります。

 

「資生」ということも

今まで気がつかなかったのですが

『十地経』の講義で

「資生行」ということが出て来て

あらためて見直してみると

『理趣経』にも出ているのです。

 

『法華経』には

「資生業等皆順正法」という言葉が

資生産業つまり生産的事業も皆

仏道の事業になるということが

出ています。

 

「資生」ということは

生をたすける、生活をたすける

つまり、

食物とか睡眠とかいうことですが

経典には

「諸仏の境界蔵に通達して

 魔の境界を現ず」

という言葉で出てきます。

なにせ、『十地経』は

印度人が中国語に翻訳したという

経典ですから言葉がスーッと

入って来ません。

 

ですから、

ここでいう「魔の境界」というのは

魔というのは誘惑ということで、

誘惑の対象となる

つまり、

食物も食欲も寝ること睡眠欲

ということがあり

誘惑の対象、魔の境界

ということなのです。

 

そいうことからあらためて

『理趣経』を見てみると

「以法施故得円満。

 一切法資生施故。」

というように出てくるのです。

読み方は

「イハッシコウトクエンマン。

 イッセホウシセコ。」

と、先ずはこの読み方になれる

ということで、

一つ一つの文字よりも

流のリズムに意識が注がれ

文字が飛び込んでこないという

ことがあります。

 

しかし、

意味はどういうことでしょう。

法を施すが故に円満する

一切の法は資生を施す

というように読めるのでしょうか

専門お方にお聞きしなければ

ならないところですが…

そういうことを手がかりに

じっくり

『理趣経』を噛んでみるのも

面白いような

また別な意味で言葉が

まあ、分からなくても

経典をじっくり読める眼をもつ

ということも大切なような

気がします。

 

この『理趣経』の解釈

『理趣釈経」の貸し出しで

最澄とたもとを別ったという

いわくの経典ですから

やはり極意が書いてあるのでしょう。

解説を読むより

経典の漢字そのものに触れて

じっと見続けていれば

何か響いてくるものがあるかも

しれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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