本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

先輩の死

2020-01-20 20:53:59 | 住職の活動日記

連絡を受け駆けつけると

いつものような顔をして

休んでおられる

まるで眠っているよう

額に手を当てるとやはり冷たい

 

昨夜まで奥様とも話し

そのような様子さえなかったようです

ほんとうに分からないものです

 

一日たっていろいろ思い出してくると

18の時からお世話になり

あれやこれやと教えていただいた

初めてお会いした時

何と大きい人だろうと(体格が)

その笑顔は福助人形のようで

いつもふくよかな笑顔を

周りに人に振りまいていた

 

東寺での草刈りから

夕方には洛南高校の掃除

トイレから各教室まで

そのやり方を教えていただいた

なにせその体格から出て来る力は

へなちょこな私を圧倒した

よくも

あんなものが持ち上がるものだと

とてもじゃないが何から何まで

及ぶものではなかった

 

最近では『十地経講義』が

愛読書のようでした

安田先生はとても大切に思って

おられたようで、

講義の中でも名前が出て来るのは

この先輩ぐらいです

その話をしたら

たぶん、先生のお宅が

隣の火事に遭った時

その後片付けで頑張ったから

でしょう、と

三浦先生にも、

「あの君は野に置けレンゲソウ

ということもあるので

そのままでいいのですよ」

と言っておられたようです。

 

不思議なもので

50年以上のお付き合いに

なりますが

体つきもお顔も昔のまま

休まれていたその布団のかさ高い

ことは昔のままです

胸が厚すぎて横向きに寝れない

といっておられましたが

 

思い出すと尽きない思い出があり

寂しさは

話せる人が一人二人と

去って行かれることです

ほんとうに話の出来る人は

数少ないものです

師匠から叱られながら

やってきたことは

振り返ってみると

それなりの重みのある

かけがえのないものであり

だからこそ、又苦労した話が

できあうものです

そういうことを話し合えなくなった

それが何よりも寂しいものです。

 

 

 

 

 

 

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