本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

三つの密

2020-03-29 21:05:46 | 住職の活動日記

感染を防ぐには

「三つの密」の徹底を

という呼びかけです

『換気の悪い密閉空間』

『人が密集する場所』

密接した近距離での会話』

ということです。

 

三つの密を略してでしょうか

テレビで「さんみつ」という言葉が

聞こえてきました

坊主の悪い癖

「さんみつ」を「三密」と

聞こえてきたのです

弘法大師の『即身成仏義』に

「三密加持すれば速疾に顕はる」

という有名な一文です。

 

「密」という文字も

仏教では「蜜」という字も使います

密教という場合は「密」で

六波羅蜜の場合は「蜜」と使います

 

密は「ひそか」とも読み

ふと思い出すのは

前島密ヒソカという方です

郵便制度の父と呼ばれる方で

1円切手の肖像画の人です

 

「ひそか」という字には

密・私・窃・陰・間・微・潜

という字があります

こういう言葉からすると

ひそか、ということは

何かしらひっそりと、かくれて

表ざたにせぬよう

というよな、よからぬ意味合いを

感じてしまいます

 

ところが、

弘法大師の言われる

「三密」ということは

身・口・意の三つ

私たちが行うすべてのことです

これは三業といいますが

身業・口業・意業です

 

いつも唱える十善戒では

身に関することは

不殺生・不偸盗・不邪淫

口は、

不妄語・不綺語・不悪口・不両舌

心(意)に思うことは

不慳貪・不瞋恚・不邪見

ということです

これは何も特別なことではなく

何気なく普段

私たちが行っていることです

自分勝手な思いから

嘘はつくし、お世辞を言って

人をおだて、邪な心で不倫する

という具合に

何かしら気が付かなくても

自然に行っているのです

 

この三業を三密といわれる

三密になればこれは仏のふるまい

仏としての行いになると

三業が三密になる

ということです

何もこれは仏さまは秘かに

行われるということではなく

この場合の「密」は

どういうのでしょうか

 

辞書にはないのですが

秘かということには

純粋という意味合いがあるのでは

ないかとおもうのです

人間の行っている業が

仏から見直されたら

純粋になって行けばそれは

「密」ということになるのでは?

 

食欲ということも

口に任せて食べていたものが

それも腹いっぱい

それが、修行になると

自分のいのちを繋ぐ貴重な糧

となってくる

そこに食事作法(じきじさほう)

ということがあって

修行のためどうかあなたの命を

頂きます

そのかわり道を見つけたならば

必ずあなたの生きる意味を

見出して恩返しします

ということを誓うのです

そうなれば

殺生するという食欲が

「身密」にかわってくる

ということになるのでは

ないかと思います。

 

話はそれてしまいましたが

三密ということ

コロナウイルに対しても

私たちの日々の行いにしても

大切なことのように思います。

 

 

 

 

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