本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

六波羅蜜と十波羅蜜

2024-02-28 21:08:56 | 十地経

六波羅蜜という

布施・持戒・忍辱・精進・

禅定・智慧といいます

根本の修行です

それが『十地経』では

十波羅蜜と展開してきます

その構造ですが

 

般若波羅蜜多心経

というお経もあるように

六波羅蜜というのは

『般若経』から出たのです

六波羅蜜の六番目は

智慧波羅蜜つまり

般若波羅蜜です

般若は智慧ですから

 

『十地経』は『華厳経』

から出た経典で

『般若経』とは出たところ

が違うのですが

十地と般若経が関係して

十波羅蜜が生まれます

 

智慧波羅蜜に続いて

第七番目が方便波羅蜜

そして次が願波羅蜜

そして力リキ波羅蜜

智波羅蜜となります

 

六番目も智慧波羅蜜ですが

厳密には慧波羅蜜

十番目が智波羅蜜と

なります

その関係は

 

布施波羅蜜が初歓喜地

持戒波羅蜜が第二離垢地

忍辱波羅蜜が第三明地

精進波羅蜜が第四炎地

禅定波羅蜜が第五難勝地

智慧波羅蜜が第六現前地

方便波羅蜜が第七遠行地

願波羅蜜が第八不動地

力波羅蜜が第九善慧地

智波羅蜜が第十法雲地

 

という具合です

これも、第六番目の

慧波羅蜜の展開で

慧波羅蜜を具体的に広げた

ものです

 

第七遠行地も重要なところ

ですが

その関係する方便波羅蜜も

第七地の眼目です

方便という言葉も

誤解されているようです

「噓も方便」

という言葉が一般的で

それが曲解されて

方便が嘘のようにも

受け取られているようです

 

方便という言葉も

直訳すれば、近づける

という意味です

真実に近づけるために

巧みな手段を尽くす

ということなのです

 

講義でもこれという具合に

方便の説明があるわけでは

ないのです

ただそれとはなしに

語られておられるようです

 

それで講義では

先に出ました解脱月菩薩の

問いということで

「なぜ、第七菩薩地中に

おいて一切助菩提分法を

具足するのか

他の初地とかでは

具足していないのか」

という問いを発したんです

それに対して

金剛蔵菩薩は

十の菩薩地の中において

ことごとく一切の

菩提分法を持っとるんだと

 

ただ、七地がその点において

非常に勝れている

顕著なんだと。

だから一切を具足すると。

 

他の地も具足せんのじゃ

ないけども、

一切を具足するという

特色を七地に与えたのだと

 

そういうことで

六波羅蜜と十波羅蜜の

関係が説かれています。

 

「普通は六波羅蜜という

布施・持戒・忍辱・精進・

禅定・智慧と。

これは大体菩薩行、

今、菩薩地ですね。

菩薩行が行われるところの

大地というんです。

 

初めは独立に考えた

思想でしょうや。

この六波羅蜜というのは

『般若経』ですね。

『般若経』の説です。

ところが十地というのは

『華厳経』ですね。

 

これらのものが

結合してくるんや、

触れ合うのですね。

行の思想、菩薩行の思想と

菩薩地の思想とが。

そうすると

菩薩行は六つあるけど

菩薩地は十ある。

すると波羅蜜が拡大されて

十になってくるんです」

 

とこいうことが

講義の内容です。

ちょっと面倒な所ですが

こういうところを丁寧に

読んでいかないと

やはり経典は読めない

緻密さが必要なようです。

 

 

 

 

 

 

 

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