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本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

金襴の袈裟

2019-07-07 20:25:08 | 住職の活動日記

今では普通に着ている金襴の袈裟

特に儀式のときや葬儀では

よく見かけます。

でも、

この袈裟が日本で最初に織られたのは

豊臣秀吉の頃、文禄元年(1592)と

いわれています。

それまでは中国からの輸入に頼って

いたのです。

 

そういえば、

空海以来、東寺で代々行われている

御七日御修法という法会での衣は

木綿の衣に麻の袈裟という

とてもシンプルなものです。

黄色の編衫(へんざん)という

上下二つに分かれた衣

 

 

これは今私の愛用の編衫(へんざん)

金剛紗という綿で出来た衣です

少し色あせていますが

薄い黄色です。

いつも護摩を焚く時に着ています

やはり、綿の衣は体にしっくり馴染み

動きもとてもいいのです。

 

東寺の御影堂にいるときから

黄色の綿の衣は愛用で

お参りの度に畳んで仕舞うのが

習慣になっていて

綿の衣はそのままですと

しわが目立ってぼろ雑巾のように

なってしまいます。

 

 

こういう金襴の袈裟は

和紙に金箔をはったものを

細く糸のように切って

それを織り込んでいくのです

切り方により平らに切ったままとか

それを撚って使うとか

それにより模様の出方が違ってきます

この衣には

 

 

横披(おうひ)という左肩に掛けて

着るもので

普通は袈裟というのは

偏袒右肩(へんだんうけん)

というように右肩を出して着ます

上の金襴の衣は通肩(つうけん)

といって右肩に着るものです。

 

本来、袈裟というのは

カーシャーヤといって

美しくない濁った色という

意味で、

落ちていたぼろ布を継ぎ合わせて

作ったものが始まりです

 

頭陀第一といわれた

摩訶迦葉(マカカショウ)は

お釈迦様より頂いた袈裟を生涯

大切に着られたといいます

破れては継ぎはぎして段々衣も

重くなっていったようで

お釈迦様もそこまで

大切にしなくても新しくしたら

とおっしゃっても

頂いた袈裟を大切に着通された

ということです。

 

金襴緞子という言葉もあるように

今では、衣といえば

とても美しい金襴の袈裟を

思い浮かべますが

歴史をたどってみると

やはり派手好みだった秀吉から

日本で織られたということで

それまでは

輸入品に頼っていたのです。

 

何気なく使っている袈裟・衣も

色々見ていくと

なかなか深いものがあるようです。

 

 

 

 

 

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