本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

今週の言葉 2/20~2/26 「 忌むべきものの第一は  …  」

2012-02-19 22:04:05 | 今週の言葉
          忌むべきものの第一は
        
               己が己がと言う心

                  おれ おれ 



 本当に、すべてのもを壊してしまうのは 「 俺が俺が 」 という心です。

どんなに素晴らしい事をしても、「 自分がやった 」 という心が出てしまうと

それは ゼロどころか、かえってマイナスのことになってしまいます。


 しかし、人間には心の奥に、一番厄介な

「 自他差別心 」 という心を持っています。

自分と他人を区別して、自分が優位である、という心を誰でも持っているのです。

煩悩、煩悩、というけれど、それよりも大変な問題は

この 「 自他差別心 」 です。

第7番目の意識で、インドの言葉では 「 マナ識 」 ( 末那識 ) といいます。

般若心経に出てくる、

 「 眼・耳・鼻・舌・身・意 」 の次に出てくる意識です。


こころ という言葉も一般には

とてもいい言葉として扱われているようです。

しかし、

三浦先生もよく話されていたのですが、

心とはコロコロ、コロコロ変わるから、こころというのですよ !
 
 いわれてみれば、ほんのちょっとしたことで

今まで好きだったこころが突然、嫌いになったりもします。

昔の歌に、

 「 こころこそ、こころ迷わすこころなれ、

          こころにこころ、こころ許すな 」

というのがありました。

それから、 「 忙しい 」 という字も

りっしんべん に亡ぼすと書きます。

ですから 仏教ではこころは迷いの象徴のようなものとしても考えます。

  「 その迷いのこころが、一つの道を見つけたとき、

      それを精神というのです。」

ということも、三浦先生の言葉です。


 「 こころを大切に ! 」 

ということも、よく吟味して使わなければ

結構、曖昧な言葉になってしまいます。


 「 忌 」  という字も、

いろいろな意味を持った言葉です。

昔は、お葬式を出すと玄関に 「 忌 」 と書いた字を貼りました。

ところが最近は、どうも、「 死 」 を不吉なものと考えておられるのでしょうか ?

貼るお宅が少なくなりました。

確かに、忌み嫌う、という意味もありますが、

つつしむ、うやまう、という意味もあるのです。

「 忌中 」 とか 「 何回忌 」 という場合は

亡くなった方を、敬い、謹んで過ごす、という意味で使うのでしょう。


 ところが、今週の言葉で

「 忌 」 という字を 己が己がという心、と分解されたのは

まさに、こころしなけばいけない、読み方だと思います。



 ※ 余談ですが、 古歌に

    「 ミ・シは上、ヤム・イはスデニ中ばなり、

        オノレ・ツチノト・コ は下につく 」

  といって覚えたものでした。


     おのれ、つちのと

     すでに、やむ

     み


漢字というのも、実に面白い言葉です。
 


 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スマート君点検中 | トップ | 暖炉のおもてなし »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

今週の言葉」カテゴリの最新記事