本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

十波羅蜜

2023-09-24 15:13:48 | 十地経

お彼岸、朝夕の風に

夏とは違った風を感じます

ちょうど、十地経講義が

波羅蜜、それも十波羅蜜が

出てきました

普通には六波羅蜜ですが

布施・持戒・忍辱・精進・

禅定・智慧の六つです

 

波羅蜜・パーラミターの

音写です

到彼岸とか度と訳します

「度」というのはサンズイが

略された、

元は渡ということです

 

十地経では古い表現ですが

こういうような形で出てきます

 

「この菩薩仏道を求める時に

所修の善根、捨して、

一切衆生に与う」

一切衆生に施与すると。

これ檀波羅蜜。

檀はダーナですから布施です

それから

「能く一切の煩悩の熱を

滅す。これ尸羅波羅蜜」

尸羅・シーラは戒の音写です

 

「慈悲を首と為して、

能く一切衆生を忍ずる

これを羼提波羅蜜」

羼提センダイ、この字も

めったに使わない字ですが

やはり音写した文字です

普通は忍辱波羅蜜という。

 

それから

「うたた勝れたる善根を

求むるに、心に厭足なし、

これ毘利耶波羅蜜なり。」

これ精進です

この毘利耶・ビリヤも音写です

 

それから

「所修の諸行、心馳散せず、

常に一切智智に向かう。

これ禅波羅蜜。」

 

それからして

「諸法の自性不生なることを

現忍す」と。

これは、前にあった忍は

堪え忍ぶという意味ですけど

この場合は、

あの言偏のある認と同じ

意味で、

諸法の自性は不生である

ことを認可することです。

認可、決定するという意味です

これ般若波羅蜜、ですから

智慧ですね。

 

話しは余談ですが

東寺の朝参りのことを

昔は「ごはんさん」と

呼んでいました。

たまに、朝御飯が出ると

勘違いして来られる方も

いらっしゃいましたが

 

この「ごはん」ということも

多分漢字で書けば

「御判」でしょう、それに

「さん」を付けて

「ごはんさん」と

つまりお参りに来られた方の

信仰を認可しましたよ

ということで

お舎利さんを頭に頂いた

のだと思います。

こういうことも

信仰を認可するということで

大きな確信に

なったのでしょう。

 

それから

「能く無量の智門を起こす」

これが方便波羅蜜です。

そして

「上上の勝智を期す、

これ願波羅蜜」

 

「一切外道の邪論及び

諸の魔衆も菩薩の道を

沮壊ソエすることあたわず、

これ力波羅蜜」

最後が

「如実に一切の法相を

観知す、これ智波羅蜜」

 

とこいう形で出来るのですが

やはり見かけな言葉が多く

出てくるので

頭にすーっと入りませんが

こういう言葉を

見るのも面白いと思います。

 

 

 

 

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