本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

町の巨匠逝く !

2009-09-30 19:05:59 | 住職の活動日記
 縫製一筋、同じ場所で、私の子どもの頃から、

ずっと続けてこられました。

 8月1日、この方のお宅の前を通ったとき、

いつものように、針仕事をされていました。

 その手先が妙に気にかかったのです。



    


 だんだんと少なくっていく 「 職人技 」 

この方々の指先が今の日本を作っていったのです。


 『 子どもの 手 どう育てる 』 

ということも大きな問題になってきています。

 リンゴの皮がむけない、靴の紐が結べない  …


 仏さまのての形を 『 印 』 といいます。

手の形がそれぞれ違うのです。

そのように、手の形が仏さまの働きをあらわしています。


 いつも何気なく、挨拶だけして通り過ぎていました。

『 手 』 が妙に気になったのです。

  「 一枚写真に撮らしてください ! 」

このときは、不思議なほど手先に力を感じたからなのです。


 9月29日 朝

  「 父が亡くなりました。」

驚きと同時に、本当に最後の最後まで、針を持ち

ミシンを踏んで、生涯現役を貫かれたご一生は見事です。

 『 枕経 』

 お邪魔すると、仕事場のベッドに横たわっておられました。

  「 狭いですが … 」

でも、私は、最高の枕経の場所ではないかと思います。

羨ましいほど !


 この方も、町の片隅でたゆまぬ仕事をし続けてこられた。

これこそ、 『 一隅を照らす、これ即ち国宝なり 』 です。



    



 使い込まれた道具が寂しそうです。

  また 「 ほんとうに、ご苦労さまでした。 」 といっているようでもあります。


 
    




 8月1日に拝見した ( 上の写真 ) 作りかけの背広

お孫さんのものだったらしいのです。

 今日のお葬儀、そのスーツ姿で 「 おじいちゃん 」 との

別れを惜しんでおられました。



     
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2 コメント

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Unknown (管  大士)
2009-10-04 18:44:30
ブログ拝見しました!写真を見ているとまだ仕事しているように思えてきます。じぃちゃんも天国でよろこんでいると思います!本当にありがとうございました。
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Unknown (すがきよし)
2009-10-05 22:09:17
”巨星堕つ”
こんなすばらしい言葉を通夜にて頂戴しありがとうございます。
生涯現役 ことばで言うのは簡単ですが
必ず元旦から縫い物をしていた祖父を思い出します。住職様のブログをみて、あらためてこみ上げる思いです。
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