本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

本蔵院のお宝!?

2017-08-27 21:20:26 | 住職の活動日記

地震以来気にはなっていたのですが

取りあえず、お寺の法務が優先

といっているうちに

本蔵院でも次から次と新しい行事も

執り行われて、

日々のお勤めも休む間もなく、

 

時折夢にも見ていたのですが

代々伝わってきた雅楽の楽器が

虫に喰われているという夢までみる始末

 

そういう時にちょうど、

息子の住職から時間があったら

見てほしい

ということもあって、

押入れの扉を開けてみました。

 

小さなものは崩れ落ちたり

大きなものは倒れる事もなく

上手に収まっていました。

順に取り出しながら

先代のことも思い出しながら

落ちてきた土ぼこりを掃除機で吸い

雑巾で一つずつ拭きあげて、

懐かしいというか、先代のご苦労

に触れる思いです。

 

落雁の型も出てきました。

御札の版、版を摺る道具など

昔は全て家内工業でやっていたのです。

 

お寺には硯はつき物で

和歌をやっていたという事もあって

歌会用の硯箱のセット10組

意匠を凝らした硯たち

子供のころに磨ったことのある硯

祖父が作品を書くとき

大きな墨で腕がだるくなるほど

磨らされました。

一つずつ埃を払い拭いていきます。

そして、

大物を取り出し、

雅楽の太鼓、鞨鼓(かっこ)、

鉦鼓など、

さいわいどの楽器も無傷のようです

気になっていたのは「笙」です

竜笛や横笛、篳篥(ひちりき)も

あったのですが、

笙が見当たらない、

虫食いがなければいいかと

何気なくあった大きな紙の包み

開けてみると風呂敷包みがあり

解くと、

立派な箱が出てきました。

 

 

 

箱書きには「笙」の文字

ヤッパリあった!!

一安心です。

恐る恐る開いてみると

絹の袋に入った笙がお目見えです

虫食いもなく、

昔の姿をとどめています。

 

 

 

さっとからぶきして

息を入れてみると

とてもきれいな音が響いてきます。

調律した記録もあり

何事もなく残っていた事は

本当に有難いことでした。

 

皆、気になっていたのですが

どうやって手をつけてよいやら

もし壊れていたらどうしよう

ということもあって

手付かずだったようです。

 

なにはともあれ

全てが無事で何よりでした。

 

 

 

 

 

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