本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

晋亮法印の 『力の泉』

2013-08-31 21:45:30 | 住職の活動日記

 先々代 「 晋亮法印 」 ( 私から見れば祖父 )

『 力の泉 』  という 「 はがき伝道 」 を

続けていました。

 

 子供のころ風呂敷包みを持って、

印刷屋さんへこのハガキを取りに行くのが

私の役目でした。

 古い小さな印刷屋さんでしたが、

インクの香りが好きで、ふとしたときに

このインクの香りを思い出します。

 

 整理してた時、崇正が発見したのですが、

『 力の泉 』 30周年を記念する

お祝いの手紙が出てきました。

 恵楓園の方からの手紙です。

 

 

    

 

恵楓園の真言宗の方々の会が 「 真愛会 」 といいます。

祖父の頃は恵楓園の方々に 「 和歌 」 を

教えていたようです。

 その方々が今でもお元気にしていらっしゃいます。

もう、崇正を数えると実に四代にわたっての

お付き合いということになります。

 

   

 

昭和38年5月に 「 祝賀会 」 が催されたようです。

ということは、昭和8年より続けてこられたということです。

30年  …  よくぞここまで続けられた。

 

 いま、思い返してみると、

「 今週の言葉 」 も祖父が始めたものです。

昔はいい紙がなかったのでしょうか、

それとも、ものを大切にということだったのでしょうか ?

包装紙とか裏が白くて使えるものは

折皺を延ばして、それに書いていました。

そして、今は 「 不動の光 」 という

隔月の発行している新聞があります。

 これも、祖父の 「 力の泉 」 の

影響だと思います。

 

 何気なく30周年と思いますが、

祖父の姿を思い出してみると、

ゆっくり休んでいる姿を見たことがありません。

布団は敷いてあるのですが、

その前に机があって、

いつも、その前に座って本を読むか

ものを書いたり、たまにはガリ版を切ったり

そういう姿が目に焼きついています。

 よく、クラシック音楽が好きで

レコードをかけてくれと頼みます。

それで一緒に聞いていると

そのときは、ゆっくり休んでいるようでしたが、

音を切ってしまうと、突然目を覚まし、

「 聞いているのに、なぜ消すか ! 」

と、叱られました。

 

 祖父のやってきたことを思い出しますと、

私たちがやっていることは足元にも及びません。

密かに、マルチに、

活動していたように思います。

お寺の作務の合間を縫って、

「 熊本雅楽会 」 をつくり

雅楽の練習に励んでいましたし、

「 短歌の会 」 もつくり、

毎月歌会を開いていました。

それに、お説教のプリントをガリ刷りしたり

「 力の泉 」 を毎月出してと、

本当に寝る間を惜しんで、

本当に最後の最後までいのちを燃やしつづけて

こられたように思います。

 

 不思議なことに 『 晋亮法印 』 のことを

知っている方々は恵楓園の方々だけのように

なってしまったと思います。

 

 この手紙を崇正が見つけたことは

偶然といえばそれまでですが、

見つけるべくして見つけた、

ともいえると思います。

 

 

 

 

 

 

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