本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

字眼(じがん)

2022-12-10 20:30:20 | 十地経

「ここに無量という字が

あるでしょう、

それで世親はこの一段を

無量種と

こういっておるんです。

無量という字が中心。

この経文に出てくる

一番大事なですね、

ちょうど音楽みたいな

もんなんですすよ。

 

音楽というものに、

なんといいますかね、

大乗経典というのは

音楽的なリズムで

できておる経文なんです。

音楽というのは

オーケストラなどと

いうものがあって、

主題というものが

ありましてですね。

第一主題とか、

第二主題とかある。

主題を押さえるということが

大事なんです。

 

よくね、昔の人は

字眼ということをいう。

一つの文章の中に

一番中心なる言葉を押さえる

ということがね、

これが大事なことです。

 

あれも言ってある

これも言ってあるという

ことではなく、

中心点を押さえて来る。

字眼を押さえる。

そういうことが大事なんだ。

 

ここにも、

無量という字がこうあるです

この無量という字を

世親は押さえて、

『無量種を修行す』ると

いうように、

この一段の経文を

解釈したんです。」

 

よく先生は経典を

オーケストラのようであると

いっておられました

やはり、主題という

こういう言葉を見つけないと

経典は読めないのでしょう

『十地経』でも「不動地」と

第八番目ですが、

初地から「不動」という

ことが貫いていると。

 

先生の講義でも

同じような感じです

何度も出てくる言葉

例えば、対治ということも

そうですが

方便智発起殊勝の行

他にも色々ありますが

なにかしら、

耳に残っている言葉が

あるのです。

 

この字眼ということも

面白い言葉で

別の言葉では

「警策」(けいさく)

という言葉もあります

警策とはふと思もいつくのは

座禅の時、眠たくなったら

肩を叩いてもらう棒も

警策といいます

もとは、馬を走らすために

打つ策(むち)から

きているようですが

やはり、詩や文章で

肝心かなめになる言葉も

警策といいます。

 

それから、詩眼という

言葉もあります

字のように、

漢詩で要になる字です。

 

安田先生の講義も

オーケストラのようなもので

一つの事柄を

あちらからこちらから

西洋哲学も交えて

話していかれます

もうこれで終わったのかと

思いきや

また元に帰っていく

というようなんですが

やはりその中心は

「菩提心」

ということだと思います

菩提心から菩提心は生まれる

迷いの心が次第に菩提心に

なっていくのではなく

菩提心からしか

菩提心は生まれないのだ

ということなんです。

 

まあ、

「字眼」という言葉も

面白い言葉です。

 

 

 

コメント
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