本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

心頭滅却すれば…!

2018-07-29 15:17:55 | 住職の活動日記

「心頭滅却すれば火もまた涼し」

というものの

本当に暑い日が続きます。

 

整理していたら、

懐かしい一品が出てきました。

 

 

「独鈷鉦」(とっこしょう)

という仏具です。

東寺の御影堂で護摩を焚いていた時

ずっと使っていたものです。

最初の頃は彫り物の蓮の形が

チクリと手に感じていたのですが

使ているうちの摩耗してきて

すっかり手に馴染むようになりました

 

 

今回はこれで護摩を焚くことに、

早速お磨きをして、

護摩を焚く時にはこのように

小指と薬指で握って作法するので

摩耗してくるのでしょう。

 

護摩を焚く時にはそれなりに

気持ちも入り集中するので

熱いという感覚は薄れるのですが

今日もこの暑いさなか

90歳を超える方も欠かさず

お参りにお見えになり

お参りに来られる方々の方が

それこそ修行だと思います。

 

「安禅不必須山水 

 滅却心頭火亦涼」

安らかに座禅をするには

必ずしも山水を

必要とするわけではない

心中の雑念を払い去れば

火中にあっても涼しさを

感じるものだ。

という中国の詩の一文ですが

 

ということもありますが

この暑さはそうばかりも言って

おれないようです。

しかし

どんな境遇にあっても

心を一点に止めるということは

ものを為すうえにおいては

必要不可欠のものです。

 

止観(しかん)

ということが修行の中心ですが

止まるということと観るという

止は静であり、観は動である

相反するものが同時に成り立つ

不思議なもので

護摩を焚くという動作の中に

一点に集中するということが

おきてくるものです。

 

どんなに忙しいと言っても

集中している方は

その動の中に静なるものを

持っていらっしゃると思います

でなければ仕事は出来ないものです

 

今日のお参りの方々も

そういう

相反するものが力を頂く

ということをご存じなのでしょう。

 

終わってから

御斎にはおそうめんが出ました

冷やりとした中に

カボスの爽やかな風味に

舌鼓を打たれていたようです。

 

 

 

コメント
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