本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

明るく悩め!?

2018-07-19 21:28:09 | 十地経

久しぶりにこの言葉と出会いました

「明るく悩め」

修行時代よく三浦先生より

叱咤激励されました。

なかなか難しい!

悩めば当然暗くなる。

人生の苦労を一心に引き受けた

ような顔をして

暗くなっていると、

「明るく悩みなさい」

悩んでいるのに

なんで明るくなれるのか?

 

ちょうど講義のなかで

そのことが出てきたのです。

「仏教学は仏になる学問なんだ。

 仏についての学問じゃない。

 そんなものはいらんでしょう。

 暇があったらやってもいいけど

 とにかく資本家であろうが、

 労働者であろうが、

 仏になれば笑って話せる。

 明るく悩める。

 悩むことがなくなるんじゃない

 悩むということが困らん。

 困るのは暗い。

 悩むのは明るい。

 悩みがなくなることじゃない。

 悩みが明るく悩めたら、

 それで悩みを超えて、

 敢て悩むことになるでしょう。

 進んで悩んでゆくことに

 なりましょう。

 悩まんようになったというのは

 阿羅漢でしょう。

 悩まんのじゃないのであって

 進んで悩むこと、

 明るく悩むこと。

 困らんだけだと、

 こういうのが菩薩だ。

 

 大乗仏教が生み出した人間像は

 菩薩だ。

 哲学は人間像というものを生まん

 文学は生む。

 ドストエフスキーとか、

 ゲーテとか、シラーとか。

 みんな人間像を作っています。

 仏教で人間像をつくるのは

 経典の役目で、論じゃない。

 それで菩薩という人間像を

 作っている。

 無量寿経では法蔵菩薩という

 人間学は論の役目ですし

 人間像は経典の役目です。」

 

あらためて読んで見ると

「明るく悩む」ということ

その当時は悩むというより

なにかしら自分にとって

都合のいいものはないかと

そういうことで困っていたのでしょう。

こうやって読みかえしてみると

悩むということは明るいことで

 

今でもこうやって

聞法したり講義録を読んだり

問題点を考えていることは

何も暗いことではなく

何かしら明るいものです。

そして自由に考えることが出来る

ような気がします。

 

 

 

 

コメント
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