本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

お彼岸に思う 『 しゃ~ん 』

2008-09-24 22:51:13 | 住職の活動日記
 『 彼岸への憧憬 』 お彼岸を心に思い浮かべて憧れを持つ、

今はお彼岸がきてもあまり涼しくありませんが、クーラーのなかった時代、

暑い暑い夏が終わり、やっと涼しくなって、ほっと一息、お浄土とはこんな世界な

のかな~ と、心に思い浮かべられたのでしょう。


 今日も般若心経を読みながら気づいたのです。初心にかえって暗記しているお経

ですが、昔から 「 経を読む時は持って読め 」 といわれていることを思い出

し、字を読みながら読んでいくと、面白いことに気づきました。

 最近、 『 3 』 という数字が、 「 世界のなべあつ 」 という方のお

かげで、話題になっていますが、般若心経の中でも 『 三 』 という文字は、

とても大事というか、同じ 「 三 」 という字を使うのに、まったく意味が違

うのです。


 『 究竟涅槃三世諸仏 』 ( くぎょうねはんさんぜ ) 

  ここの場合の 『 三 』 は 「 過去・現在・未来 」 を意味していま

  し、数字の三という意味です。

 次の行に出てくる

 『 阿耨多羅三藐三菩提 』 ( あのくたらさんみゃくさんぼだい )

 は、インドのサンスクリットでいう言葉、

  ( アヌッタラ・サムヤク・サンボーディ ) を、訳さずにそのまま、難し

  い漢字に当て字をしたのです。

  『 この上なく優れた平等円満の智慧の悟り 』 のような意味になります。


 玄奘三蔵 ( 三蔵法師 ) はあえて訳さなかったのです。

 『 般若 』 もそうですし 『 波羅蜜多 』 も

 訳してしまえば意味が薄くなる、というようなこともあるのでしょうか?


  

 ほかにも、訳さなくてインドの言葉をそのまま使った言葉が、般若心経

の中にはたくさん出てきます。

 上の写真のような、初めての方なんだろうと思われるかもしれませんが、

文字の読めなかった時代、般若心経を絵文字を使って表したものです。


 「 お釜 」 をひっくり返して 「 マカ 」 と読ませたり、

 「 波羅蜜多 」 を 「 腹・蓑・田 」 という絵を書いて教えています。


 やはり、お経はどんなに暗記しても、手に持って読まなければいけません。

と、自分に言い聞かせた次第です。
コメント
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