大徳寺聚光院の障壁画を見に行く
9月16日、17日と1泊2日の京都一人旅に出かけてきました。
大徳寺聚光院で狩野永徳の国宝障壁画が公開中。
それにもまして、日本画家、千住博さんの襖絵『滝』が一般初公開されているとのことで、
以前制作中をテレビで見て、実物を見てみたいというミーハー的好奇心から出かけたのです。
(室内撮影禁止のため、パンフレットから一部転載)
いやぁ、京都は暑かった! 30度をこすムシムシした暑さ。
正午過ぎに京都駅に着き、事前に拝観時間をネット予約していたので、ひとまずは初めての大徳寺へ地下鉄とバスを乗り継ぎ行きました。
、
大徳寺は本坊をはじめ20以上の塔頭からなる臨済宗大徳寺派の大本山。境内は簡素で広々として、人影がまばらなのが想定外のうれしさでした。
その中の聚光院は千利休の菩提寺として知られ、三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)代々の墓所になっています。
来年3月まで特別公開中の国宝障壁画は、普段は京都国立博物館に寄託されていて、創建450年記念に里帰りしたのだそうです。
それらは永徳の父、松栄筆も含めて46面もあります。
1回15名ほどのグループ拝観でスタッフが解説してくれましたが、持ち物はすべて受付で預けなければならずメモ帳も持てません。
眼前で見る永徳の四季花鳥図は日本画に明るくない私にも、ダイナミックかつ優美で、梅の木の描き方、川の流れなど素晴らしいものでした。
一昨年かに観た「洛中洛外図屏風」とは全く異なる印象を受けました。
千住博さんが書院に奉納した『滝』には圧倒されました。
吸い込まれそうな青に、水しぶきがこちらまで飛んできそうな迫力。
その連続を観られる襖絵ならの魅力に溢れていました。
心洗われる高桐院
大徳寺塔頭のひとつ、高桐院は参道がステキでした。
苔むす楓の木立に自然石の敷石道。誰もいない道を静寂をお供に歩く贅沢。
石灯籠ひとつのみが設えられた庭も風雅で清々しく、紅葉の時期はどんなに美しいことかと。
でもその時期は多くの人々で混むことでしょうね。
高桐院は戦国武将、細川忠興が建立したもので、その正室細川ガラシャ夫人とともにこの地に眠っています。
通年公開されているので、またぜひ訪ねてみたい場所です。
今宮神社の由緒あるあぶり餅をいただく
大徳寺と前後しますが、聚光院の予約時間に1時間以上余裕があったので、近くの今宮神社に立ち寄りました。
別名「玉の輿神社」。五代将軍徳川綱吉の生母桂昌院が西陣の八百屋に生まれ、その名を「お玉」と呼ばれていたとか。
三代将軍家光の側室となって綱吉を生み、八百屋の娘から高位にまで昇りつめたことから「玉の輿」という言葉の起源ともいわれているそう。
初めて知りました。早く知っていれば今頃は?
こちらもこの日は静かで、結婚式を挙げたカップルが写真撮影中。
緑の中に白無垢が映えて美しい。近くで写真を撮らせてもらいたい気分でしたが、遠目から遠慮がちにパチリ。
おや、境内の一隅にきれいな座布団におわします黒い石が・・・何でしょう?
近づくと「今宮の奇石」と書かれていて、「阿呆賢さん」と呼ばれ、古くから「神占石」ともいわれていたそう。
病弱な人が病気平癒を祈り、この石を撫でてから身体の悪い箇所をさすると回復が早まるご利益が。
また、この石を手のひらで三度叩いて持ち上げ、次に願い事を唱えながら三度手のひらで撫でて再び持ち上げる。
その時、最初持ち上げた時より軽く感じると願い事が叶う・・・と書いてありました。
トライしてみましたよ。でも思ったより重くって、2度目も軽くは感じませんでした。ザンネン!
今宮神社の名物、あぶり餅は「食べてみたい」と願っていたもののひとつ。
創業1000年と400年という途方もない歴史を持つ、2軒の老舗が向かい合って建っています。
昔ながらの京町家の店構えが雰囲気を醸し出し、店の前で炭火で餅を焼いています。
つきたての餅を中指ぐらいの大きさにちぎり、きなこをまぶして焼き、白みその甘だれに浸したもの。
一人前が十数本もあって、「食べられるかしら」と思ったのですが、これがもう美味しくってパクパク。
焦げた餅ときなこと白みそだれが絶妙のバランス。
今宮神社に行ったら、必ず食べてみてくださいね。
金閣寺、下賀茂神社まで足をのばし・・・
大徳寺のバス停から3つ目ぐらいだったので、学生時代に一度行ったきりの金閣寺にも寄ってみました。
もう午後の4時過ぎだというのに、大変な混雑。
大徳寺や今宮神社の静けさがウソのようです。
9割が外国人だと思えるほどの多さ。
団体さんの中国語が周り中に飛び交い、ここではまるで私が異邦人になったようで。
金閣寺は確かにこの世のものかと思われるくらい美しかったのですが、もっと大徳寺の塔頭を巡ればよかったと欲張り過ぎを後悔しました。
順路を一回りして早々に金閣寺を後にし、またバスを乗り継ぎ以前から行ってみたかった下鴨神社へ。
「糺(ただす)の森」の中にある下鴨神社の広さは東京ドームの約3倍。
平安京以前の原生林の植生を伝える貴重な自然林だそうです。
暮れなずむ境内は暑さも和らぎ、森閑として本当に気持ちのいい神社でした。
疲れて京都駅のレストラン街で夕食
かつて行った、夜の祇園花見小路の風情も味わいたいと思っていたものの、疲れて足が棒のよう。
バスの終点が京都駅だったので、夕食をとりホテルに向かうことにしました。
地下のレストラン街でたまたま通りがかったのが、「満重」というガイドブックで見た京料理店。
写真のように多くの種類がコンパクトに盛られた京御膳。
松茸の土瓶蒸しまでついています(松茸は一切れでしたが)。
私の好きな生麩の田楽もあったので、ラッキーです。
何より感激したのは、そのお値段。
京都値段に相反して、2160円なりだったのです。
やさしい薄味が一日の疲れを癒してくれました。
9月16日、17日と1泊2日の京都一人旅に出かけてきました。
大徳寺聚光院で狩野永徳の国宝障壁画が公開中。
それにもまして、日本画家、千住博さんの襖絵『滝』が一般初公開されているとのことで、
以前制作中をテレビで見て、実物を見てみたいというミーハー的好奇心から出かけたのです。
(室内撮影禁止のため、パンフレットから一部転載)
いやぁ、京都は暑かった! 30度をこすムシムシした暑さ。
正午過ぎに京都駅に着き、事前に拝観時間をネット予約していたので、ひとまずは初めての大徳寺へ地下鉄とバスを乗り継ぎ行きました。
、
大徳寺は本坊をはじめ20以上の塔頭からなる臨済宗大徳寺派の大本山。境内は簡素で広々として、人影がまばらなのが想定外のうれしさでした。
その中の聚光院は千利休の菩提寺として知られ、三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)代々の墓所になっています。
来年3月まで特別公開中の国宝障壁画は、普段は京都国立博物館に寄託されていて、創建450年記念に里帰りしたのだそうです。
それらは永徳の父、松栄筆も含めて46面もあります。
1回15名ほどのグループ拝観でスタッフが解説してくれましたが、持ち物はすべて受付で預けなければならずメモ帳も持てません。
眼前で見る永徳の四季花鳥図は日本画に明るくない私にも、ダイナミックかつ優美で、梅の木の描き方、川の流れなど素晴らしいものでした。
一昨年かに観た「洛中洛外図屏風」とは全く異なる印象を受けました。
千住博さんが書院に奉納した『滝』には圧倒されました。
吸い込まれそうな青に、水しぶきがこちらまで飛んできそうな迫力。
その連続を観られる襖絵ならの魅力に溢れていました。
心洗われる高桐院
大徳寺塔頭のひとつ、高桐院は参道がステキでした。
苔むす楓の木立に自然石の敷石道。誰もいない道を静寂をお供に歩く贅沢。
石灯籠ひとつのみが設えられた庭も風雅で清々しく、紅葉の時期はどんなに美しいことかと。
でもその時期は多くの人々で混むことでしょうね。
高桐院は戦国武将、細川忠興が建立したもので、その正室細川ガラシャ夫人とともにこの地に眠っています。
通年公開されているので、またぜひ訪ねてみたい場所です。
今宮神社の由緒あるあぶり餅をいただく
大徳寺と前後しますが、聚光院の予約時間に1時間以上余裕があったので、近くの今宮神社に立ち寄りました。
別名「玉の輿神社」。五代将軍徳川綱吉の生母桂昌院が西陣の八百屋に生まれ、その名を「お玉」と呼ばれていたとか。
三代将軍家光の側室となって綱吉を生み、八百屋の娘から高位にまで昇りつめたことから「玉の輿」という言葉の起源ともいわれているそう。
初めて知りました。早く知っていれば今頃は?
こちらもこの日は静かで、結婚式を挙げたカップルが写真撮影中。
緑の中に白無垢が映えて美しい。近くで写真を撮らせてもらいたい気分でしたが、遠目から遠慮がちにパチリ。
おや、境内の一隅にきれいな座布団におわします黒い石が・・・何でしょう?
近づくと「今宮の奇石」と書かれていて、「阿呆賢さん」と呼ばれ、古くから「神占石」ともいわれていたそう。
病弱な人が病気平癒を祈り、この石を撫でてから身体の悪い箇所をさすると回復が早まるご利益が。
また、この石を手のひらで三度叩いて持ち上げ、次に願い事を唱えながら三度手のひらで撫でて再び持ち上げる。
その時、最初持ち上げた時より軽く感じると願い事が叶う・・・と書いてありました。
トライしてみましたよ。でも思ったより重くって、2度目も軽くは感じませんでした。ザンネン!
今宮神社の名物、あぶり餅は「食べてみたい」と願っていたもののひとつ。
創業1000年と400年という途方もない歴史を持つ、2軒の老舗が向かい合って建っています。
昔ながらの京町家の店構えが雰囲気を醸し出し、店の前で炭火で餅を焼いています。
つきたての餅を中指ぐらいの大きさにちぎり、きなこをまぶして焼き、白みその甘だれに浸したもの。
一人前が十数本もあって、「食べられるかしら」と思ったのですが、これがもう美味しくってパクパク。
焦げた餅ときなこと白みそだれが絶妙のバランス。
今宮神社に行ったら、必ず食べてみてくださいね。
金閣寺、下賀茂神社まで足をのばし・・・
大徳寺のバス停から3つ目ぐらいだったので、学生時代に一度行ったきりの金閣寺にも寄ってみました。
もう午後の4時過ぎだというのに、大変な混雑。
大徳寺や今宮神社の静けさがウソのようです。
9割が外国人だと思えるほどの多さ。
団体さんの中国語が周り中に飛び交い、ここではまるで私が異邦人になったようで。
金閣寺は確かにこの世のものかと思われるくらい美しかったのですが、もっと大徳寺の塔頭を巡ればよかったと欲張り過ぎを後悔しました。
順路を一回りして早々に金閣寺を後にし、またバスを乗り継ぎ以前から行ってみたかった下鴨神社へ。
「糺(ただす)の森」の中にある下鴨神社の広さは東京ドームの約3倍。
平安京以前の原生林の植生を伝える貴重な自然林だそうです。
暮れなずむ境内は暑さも和らぎ、森閑として本当に気持ちのいい神社でした。
疲れて京都駅のレストラン街で夕食
かつて行った、夜の祇園花見小路の風情も味わいたいと思っていたものの、疲れて足が棒のよう。
バスの終点が京都駅だったので、夕食をとりホテルに向かうことにしました。
地下のレストラン街でたまたま通りがかったのが、「満重」というガイドブックで見た京料理店。
写真のように多くの種類がコンパクトに盛られた京御膳。
松茸の土瓶蒸しまでついています(松茸は一切れでしたが)。
私の好きな生麩の田楽もあったので、ラッキーです。
何より感激したのは、そのお値段。
京都値段に相反して、2160円なりだったのです。
やさしい薄味が一日の疲れを癒してくれました。