喜多院法興寺

住職のひとりごと

過去の原発事故隠しが、安全神話を崩壊させた

2011-06-09 06:53:10 | Weblog
6月8日付 よみうり寸評 読売新聞
 {「危険な原子力が安全なものとして扱われてきたのは間違いだった」と東電福島第一原発の事故調査・検証委員会の畑村洋太郎委員長
◆この原点に立った検証作業に期待する。原発の安全神話が崩壊した要因とからくりをきちんと解明する作業。それがなされないと失敗は拡大再生産される。
◆畑村氏の著「失敗学の法則」には、その典型的な例として、1995年に発生した動燃・高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故を巡る「ビデオ隠し事件」があげられている。
◆動燃は事故翌日に1分に編集したビデオを報道陣に公開、続いて4分のビデオを公開した。「撮影はカメラ1台、これ以外の映像はない」ということだった。
◆3日目、県と市が現場に入り、ビデオにない惨状を目にして意図的編集が発覚。実は2台で撮影と訂正されたがこれもウソ。さらに生々しい別の撮影が判明した。
◆「失敗から目を背け、隠したりしているうちは、同じ失敗をくり返す」。畑村委員会に対し、関係者の真の全面協力が欠かせない。}

 今回の福島原発事故では、中央省庁と自治体、電力会社が現地で対応を調整する「原子力災害対策マニュアル」が、想定外の事態が重なりほとんど活用されなかったことが分かった。危険な原子力が安全なものとして扱われてきたことで、実際に事故が起きても何も出来なかった。過去の事故の検証すら怠り、何ら反省も危機管理もしてこなかったことが、福島原発の現状につながった。