喜多院法興寺

住職のひとりごと

「殺人」題材に割り算出題した呆れた先生

2010-09-16 06:54:54 | Weblog
9月16日付 編集手帳 読売新聞
 {題名を『 命 ( いのち ) 屋 ( や ) 』という。〈「命屋」さんがあればいいね/でも/命を買い替えられたら/みんな一生けん命/生きないかもね/そしたら/つまらない人生になるね〉

◆かつて本紙の『こどもの詩』欄に載った一編で、作者は小学3年生の男児である。「人生」や「命」といった大人でもときに持て余す重たいテーマに、こういう洞察のできる年ごろである。その記事を読み返しながら、ため息をひとつ、ついてみる。

◆「子供が18人います。1日に3人ずつ殺すと、何日で全員を殺せるでしょう?」。愛知県岡崎市の市立小学校で3年生のクラスを担任する男性教諭が、算数の授業でそういう出題をしたという。市の教育委員会は口頭で厳重注意し、担任を外した。児童の興味を引くためにリンゴやミカンとは違う出題をしたらしいが、冒頭の詩と読み比べて、どちらが大人でどちらが子供か分からない。

◆本紙掲載の詩を、もう一つ引く。題は『右側が見えづらい弟』、障害をもつ弟のことを書いている。その一節。〈だから私はいつも弟の右側にいる〉。こちらは小学4年生の女児である。
◆子供をなめてはいけない。}

 大人でも命については、余り語りたくないテーマを、子供の書いた詩に〈「命屋」さんがあればいいね/でも命を買い替えられたら/みんな一生けん命/生きないかもね/そしたら/つまらない人生になるね〉奥が深い。それにひかえ、男性教諭は3年生の学級担任。5月中旬、算数の授業で割り算を教えた際、「ここに18人の子どもがいる。1日に3人ずつ殺すと、何日で全員殺せるでしょう」と口頭で出題したという。呆れてかえる話だ。