喜多院法興寺

住職のひとりごと

「幸福は金で買えない」事を裏付けた

2010-09-08 06:46:14 | Weblog
9月8日付 編集手帳 読売新聞 
{娘が父親に尋ねる。「お父さんは幸せなの?」。父親が答える。「そんなこと分からないさ。胃袋に、おいしいかと聞くようなもんだ…」
◆30年ほど前のテレビドラマ『さよならインバネス』(作・早坂暁)の一場面を『テレビドラマ代表作選集』から引いた。幸せを玩味する舌を、人は持ち合わせていない。幸福とは何か? 金で幸せになれるか? 昔に問い、今もなお問いつづけているのは、舌なき身の宿命だろう。
◆収入が上がるにつれて生活の満足感は上昇するものの、幸せな気分は年収7万5000ドル(約630万円)前後のところで頭打ちになる――
◆米プリンストン大学の教授らが年収と幸福の関係を統計的に分析した。米国人45万人以上を対象にした電話調査をもとに、笑う頻度などに表れる感情の起伏を考察したという。「高収入で幸せになれるとは限らない」。まあ、想定内の結論ではある。
◆歌人、 安立 ( あんりゅう ) スハルの一首を。〈金にては幸福は 齎 ( もたら ) されぬといふならばその金をここに差し出し 給 ( たま ) へ〉。年収630万円で幸福感が頭打ちになるのならば、一度、その天井に頭をぶつけてみたい人は多かろう。}
 
 人間の欲望は限度がないが、収入が上がるにつれ生活の満足度は上が、必ずしも幸福感が増すとは限らないと発表した。年収と幸福の関係を統計的に分析したら、「生活評価」の数値は、年収が増えるにつれ一貫して上昇した。しかし「感情的幸福」の度合いは、年収7万5000ドル(約630万円)前後で頭打ちになっていた。教授は「高収入で満足は得られるが、幸せになれるとは限らない」と結論している。金は無いよりあった方が良いが、金で幸せは買えないと結論が出た。