うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

ホームズ彗星 5....(199)

2007年10月29日 18時22分17秒 | うべプラネタリアン
1892年11月ロンドンのアマチュア天文家エドウィン・ホームズ(Edwin Holmes)氏は
アンドロメダ付近を観測中、M31の近くに見られないコマを持った天体を見つけた。明るさは4~5等だった。
報告を受けた天文台やヨーロッパ、アメリカの天文学者はアンドロメダ銀河の見間違いかと考えたが、
その翌週には7等以下に急速減光し、新彗星だと確認された。
ずっと後世、追確認されたところでは、発見時の4等級はこの彗星の持つ突然増光の“癖”のはしりだった。
それがホームズ彗星の発見エピソードであり、名の由来である。
この彗星は1906年の観測を最後に行方不明となり、1964年に再発見された。
その時点で公転周期7.35年近日点2.05AUと軌道要素が確定され、その後は回帰のたび確認されているが、
依然として暗く、今年5月の近日点通過後の7月に確認されたところでは14.5等だった。
そして、遠ざかるにつれ暗くなり、10/23には17等だったが、それがなんと、10/24に一挙に8等まで増光、
10/25には2等台に達した。実に14-15等級の大バーストである。
その後、増光の度合いは頭打ちになっているようだが、依然として2.5等くらいの明るさは保っており、
ペルセウス座の形を変えている。
10/27にホームズ彗星を望遠鏡で見た橋本冴夏さんは「めだまやき...」と評した。全くその通りだ。
黄色みを帯びた中心核といい、白いコマといい、すごい表現である。
これだからこの娘はすごいんだ。
注:コマ=coma=星雲上の淡い光の広がり。植物学上では草の綿毛(つまりタンポポのわたげ...
ぐふっ、これまた全くその通り。

画像は国立天文台、10/29.01時撮影のもの。

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