別府公民館の歴史講座(2/24)でした。テーマは「別府の江戸時代の俳人・瀧瓢水」。
その中で、瓢水の次の俳句を紹介しました。
浜までは 海女も蓑着る 時雨かな
おせっかいですが、少し説明しておきます。
・・・瓢水が、ある年の暮れ、風邪をひき籠っていたことがありました。
ちょうどその時です。
一人の雲水(うんすい)が瓢水の噂を慕って訪れました。
あいにく、薬を取りに行くところだったので、「しばらく待っていてくだされ・・・・」と言い残して待たせておいて、一走り薬屋へ薬を取りに行きました。
後に残された雲水は、「瓢水は生命の惜しくない人間と聞いていたが、案外な男だった・・・」と言い捨てて、そのまま立ち去っていきました。
帰ってこの話を近所の人から聞いた瓢水は「(雲水は)まだそんなに遠くはゆくまい、どうかこれを渡してくだされ」と言って、一枚の短冊にさらさらと書いたのは、「浜までは 海女も蓑着る 時雨かな」の一句でした。
(*生命は、固執するものではないが、最後まで大切にすべきものである)
これを受け取った雲水は、非常にわが身の浅慮を後悔し、再び瓢水翁を訪れ一晩中語り明かしたといいます。
この話の続けて、「私も最近物忘れが激しくなりました。でも、あきらめずに頑張ります。どなたかこの句を習字で書いていただけませんか。私の書斎に座右の銘として飾りますので・・・」と付け加えました。
先日、講座生の方から、写真のような色紙が届きました。
ありがとうございました。もうひと頑張りします。(no146)
*写真:いただいた色紙(書斎の壁に飾っています)