兵庫県西脇市上比延町
御霊神社から県道に戻り、やや退屈な道を南下する。
山裾から少し離れた辺りで狭い道に入り、集落内を進む。やはりこういう道の方が歩いてい楽しい。
これから訪ねる住吉神社は、もう随分と前に地形図で見つけて気になっていたところだ。
参道がそれなりに長く、航空写真で見る限り、緑も深そうだったからだが、その後、私のブログと相互リンクしている方のブログで取り上げられ、やっぱり行きたいなぁと思わせる風景も目にした。
ただ、神社付近は道が狭そうで駐車場所に困りそうだったし、車で活動していた頃には行くのを躊躇っていた。
今回、やっとこの住吉神社に訪れることになったわけだが、参考にしたかったそのブログは閉鎖されて数年になるし、復活してほしいなぁと思わずにはいられなかった。
私のような風景偏重ではなく、風景も歴史も由緒も交えて、物語性のある記事を書かれる唯一無二のブログであったので、残念でならない。
そのブログ主さんは、今でもたまにここを見てくださっているようなので、改めてここで復活要望をしておきたいです。
計画段階で、御霊神社か住吉神社、どちらを先に訪れるべきか、という迷いがあった。
というのは、この住吉神社の位置や地形を考えると、太陽が高くなってしまうとコントラストが強くなりすぎて撮影が困難になりそうだったからだ。
しかし、この後の行程や紅葉を優先すると、御霊神社を先にするという結論になった。
神社前に着くと案の定で、日差しが強くて明暗差が激しく、鳥居の姿がまともに撮れない。
とりあえず後回しにして、逆からの写真を撮っていくことにする。
神社前には鐘楼があって、そこだけ紅葉が鮮やかだった。
夏とは違って斜光線なので、順光でなく逆光気味でなら何とか撮れる。
直射光の当たらない、ひっそりとした風景が撮りたかったが、これはこれで、まあいいかと思える。
光と影と緑が入り混じって、何やら温かみと賑わいが感じられる。
本殿にも日が当たっていたものの、鳥居ほど撮りにくくはなかった。
檜皮葺の、美しい本殿だ。
二間社流造の、やや珍しい建築様式。
横から見る。
屋根が程よく苔生して味わい深い。
少し視線を上げると、光と一緒に緑も降り注いでくるかのようだ。
殆ど常緑樹ばかりの杜だが、春も気持ち良さそうだなと思う。
本殿前には土俵がある。
向こうに見える建物は農村舞台。
本殿前にある盛砂。
ちょっと笑われてしまいそうだが、大袈裟に言えば宇宙を感じる。
榊は枯れてしまっているが、箒で掃き清められた跡が見て取れて、大切にされている場所であることが判る。
周囲の杜は貧弱な杉や檜ばかりなのが残念だが、所々に椎の類のやや大きな木がある。
杜の本来の植生は、こちらであったのだろうと思う。
不意に日が翳ってきた。
見上げると青空が優勢だが、ちぎれ雲が太陽を隠している。
今のうちに、と本殿を撮り直す。
どちらの風景がいいかはともかく、こちらの方が断然、撮り易い。
また同じような写真ばかりになってしまったが…。
ここからは振り返りつつ離れていって、最後に鳥居の写真を撮ろうと思う。
緑の濃淡、檜皮葺の茶色、農村舞台の天井を照らす反射光。
遠くに人の気配が感じられる農村の雰囲気。そうでありながら民家はやや離れており、落ち着いて心行くまで神社を堪能できる空気。
いいところだ、さて、やっと鳥居を、と思って外に出ると、何たることか、日が射してきた。
まあいい、暫く待てばまた翳りそうだし、時間に余裕はある。
が、間の悪いことに、今度は急にお腹の調子が悪くなってきた。
我慢すべきか迷うが、車のように、さっと走らせてどこかトイレのありそうなところへ、というわけにはいかない。
ここから一番近いトイレのありそうなところは、日本へそ公園か、その最寄り駅のどちらかしかない。
一キロ以上離れている。
今は我慢できても、いつ切羽詰まった状況になるかも判らない。
迅速に行動に移すべき、と神社を離れる。
よって鳥居の写真は割愛せざるを得なかった。
車でも勿論あることだが、徒歩で山や田舎を行動する際には、トイレの問題というのはなかなか切実な問題である。
下品な話ですみません…。
………。
……。
…。
すっかり気分の良くなった私は、日本へそ公園駅の駅前で寛いでいた。
駅前にいることだし、このまま帰っちゃおうか、と思ったりもするが、時刻を確認すると、一時間以上待たねばならないようだ。
何となく気が抜けてしまったけれど、気合を入れて歩き出す。
これから向かう神社も、随分と前から地形図で見つけて気になった場所だ。
民家から離れた山裾にあって、緑深いところのように思える。
おまけのような扱いになってしまうが、ここに併せて載せておくことにする。
駅からその神社まで四キロほどだ。
民家の多いところ、やや車の多いところ、こういった農道も通る。
天気は曇りがちになってきた。
山の斜面を彩る紅葉はさして鮮やかではないが、時おり日が射すと、ぱーっと輝きだす。
ところがカメラを出して写真を撮ろうとすると日が翳る。
曇っていてほしいときは晴れて、晴れてほしいときは曇る。
農道横の雑木林も、地味だけど秋の彩り。
退屈というわけではないが、四キロは結構長く、何やら巡礼のような気分になってくる。
目指す神社の入り口は、害獣除けの電気柵が張られていたので、いつものようにプラスチックのグリップ部を握って取り外し、山道のような道に入る。
すぐに鳥居が見えてくる。
かなり小さな神社だと予想していたので、この質素な鳥居に驚きは無い。
恐らく、本殿も祠のように小さなものが、緑の中にひっそりと…。
と思っていたのだが、意外にも明るい場所に出て、ちょっと拍子抜けする。
地形図では山道がこの神社より更に先に伸びていて、途中で消えている。
ここは愛宕神社だから、昔はもっと山頂の方にあって、その名残の道なのではと考えたりするが、正確なところは判らない。
ここにも土俵がある。
この辺りの神社は土俵が多いが、ここでそれが使われたのはいつなのだろうか。
建物は小綺麗に保たれているが、周辺の人口は少なそうだし、維持管理や行事の継続は難しそうに見える。
ここからは比延駅まで二キロ強を歩く。
殆ど県道なので、あまり楽しくはない道のりだ。
途中、作業場のようなところにいたおじさんが、「どこから歩いてきたん!?」とえらく驚く。
「この道を歩いている人なんて、まず見かけへんで」とも言う。
私自身、歩いている人など一人も見かけなかったから、そうだろうなと思う。
黒田庄駅からあちこち寄ってここまで来て、比延駅に向かっている途中だと言うと、更に驚かれる。
随分と豪快な方である。
お辞儀をして立ち去ろうとすると、大きな声で「気ィつけて!」と言われたので、振り返ってもう一度お辞儀をする。
退屈な道のりが、少し楽しくなった。
比延駅前は民家が多いところだったが、駅には誰もおらず、やはりローカル線の佇まい。
静かに一人、電車を待つのが心地よかった。
これが今年最後の更新です。
昨年末に、来年は最低でも月一回の更新を、という低い目標を書いていました。
一か月以上、更新しなかったこともありますが、とりあえず更新回数は二十回を超えたので、一応目標は達成できたということで…。
たぶん、年始の記事は上げないと思いますし、冬はあまり出掛けないので、次回の更新はだいぶ先になるでしょうが、来年も同じようなペースで更新していくと思います。
それはともかく、こんな気まぐれブログを見にきてくださっている方々に感謝申し上げます。
気が向けば、コメントなんかをしていただけると嬉しいです。
では、皆さんにとって良い年でありますように。
撮影日時 181123 住吉神社10時30分~11時10分 愛宕神社12時40分~13時
地図 住吉神社 愛宕神社
行きたいと思いながら、私も車でどう行けば良いのだろうと思ったりします。
住吉の住吉神社はよく前を通りますし、写真も撮ったりしますが。
参道が長くて良いですね。
確かに振り返った場合の光線の具合が、正面から撮るより綺麗に見えると思います。
田舎の人は歩きませんね。
私も義母が徒歩10分もかからない距離を車で移動するのを見た時は驚きました。
都会人の方が足腰が丈夫だと思いますよ。
私もあのブログの復活を切に望みます。
調べ物をするのに本当に重宝しておりましたし、参考になったので、閉鎖された時は主さんを恨みました。
たまにお見かけしますが、復活の気配もなさそうな・・・
今年もたっぷり楽しませていただきました。
来年もよろしくお願いします。
お体に気をつけて、良いお年をお迎えください。
集落内の道はちょっと狭いですが、神社前に駐車可能です。
ぜひ行ってみてください。
ただ、ここは大木が無いのが残念です。
大木があれば、もっといい参道になったのになぁ。
こういう光の加減もいいものですが、やはり早朝に撮ってみたい。
電車だと早朝に辿り着くのは不可能なのがツライです。
田舎でもそれなりに車は走ってますから、人がいないというわけじゃないんですよねぇ。
でも歩いている人は全くいない。
まあ都市部に住んでる私も、車があるときは直ぐ近所でも車を使ってましたが(笑
復活されませんかねぇ。
昔に比べて、神社ブログは増えたような気はするんですが、
あんな個性的で魅力あるブログは、そうは無いですから、惜しいです。
今年も大変お世話になりました。
いつもお付き合いいただき、ありがとうございます。
来年もまた、よろしくお願いします。
良いお年を。
西脇市比延町の住吉神社について
相互リンクしているブログとは私のことですね。
アクセス解析でピンときました。
篠山市周辺には住吉神社が多いことが印象的で、
比延町の住吉神社は場所が分かり難かったと記憶しています。
山と道路の写真は安楽寺付近でしょうか?
散策中にお腹の調子が悪くなること私も良くあります。
車内で水を沢山飲んだり、
調子に乗って昼食を多目に摂ると
神社を見ている時に調子が悪くなります。
変な話ですが、
旅行当日は神社散策の為に食事量など控えめに考えています。
今年も一年通して拝見させて頂きました、
ありがとうございます。
私の方は事情で殆ど更新できませんでしたが、
年が変わりましたら 気を取り直して更新していこうと
思っています。
新年もよろしくお願い申し上げます。
おはようございます。
相互リンクしているブログというのは、数年前に閉鎖されたブログのことでして、
いちおう本文にも書いているのですが、判りにくかったようで、すみません。
篠山、特に今田地区は住吉神社が多いですね。
あの辺りは住吉大社の荘園だったとか。
西脇はちょっと外れているので、どうかは判りませんが。
山と道路の写真は、おっしゃるように安楽寺から東へ300メートルほどのところです。
私はもともとお腹がゆるい方でして、トイレには凄く気を使います。
同じように、何も食べなかったり、携帯食だけ、ということもよくあります。
特に山里の神社巡りが中心ですと、まともなトイレが無いところが殆どですので大変です。
神社にトイレがあっても、カマドウマがいっぱいいたり、なんてこともありました。
こちらこそ、ありがとうございました。
最近の記事では、特に奈良市須川の戸隠神社を懐かしく拝見しました。
また、「参拝の記録」も加わって、より参考になることが増えました。
来年も、更新を楽しみにしております。
昨日、朝来へ岩津葱を買いに行き、帰りに當勝神社に立ち寄りました。
朝から雪が激しく降っていて、神河町から但馬へ入ったのですが、すでに播磨でも積雪10cmを超えていました。
朝来は猛吹雪で竹田城址は国道からは全く見えませんでしたよ。
お葱は国道沿いに小屋をかけている農家さんから直接購入しました。
雪の中の古い神社は美しいです。
彫刻に苔が生えていて、彫刻には良くありませんが、モノトーンの中で緑色の麒麟とか見られました。
赤い稲荷社の鳥居も綺麗でした。
一人だけ先客がいて、その人も神社を見学に来ていたようです。
神社から少し山手へ行って、「西の谷藤一本」と名付けられた樹齢400年あまりの藤の木にも会いに行きました。
黒いシルエットで、藤より寄生されているケヤキばかり写っていますが、あの古木が好きで、来年も元気で、と心の中で願いました。
今度こそ、本当に、来年もよろしくお願いします。
良いお年をお迎え下さい。
おはようございます。
例年通りですが、仕事で年末の実感ありません(笑
先日の金曜日、こちらでも少し雪が降ったので、
ちょうど休日だったから出掛ければ良かったです。
雪の當勝神社は羨ましいなぁ…。
出来れば、最初の更新は、雪の神社にしたいものです。
ちょっと忙しいので、短めで失礼します。
では、こちらも、この一年、ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
良いお年をお迎えください。
本年もよろしくお願い申し上げます。
ジオシティーズが3月いっぱいでサービスを終了します。下記にひっこし致しております。
https://miniuzi0502.sakura.ne.jp/
あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
今年は車を買おうかなぁ、などと考えておりますが、どうなることやら。
出来れば三重県の水屋神社に行ってみたいものです。
その帰りに水屋神社へ行ったのですが、思っていた以上に時間がかかりました。
松阪市街をすぎてR166に入ると、車が少なくなり快適なドライブが出来ました。
水屋神社は樹木がすごい、という印象でした。
この日は天気も良く、正午頃に到着してめちゃくちゃ暑かったですが、境内は樹木のせいか、暑さを感じませんでした。
帰りは高見トンネルを抜けて榛原経由で帰宅しました。
hiro1jzさんの"1jz"はたしかエンジンの型番だったような。車好きと想像しておりましたが、ずいぶん我慢されている気がしてました。
名張に住んでいるとき、津まで行かなきゃならないのか、と驚いたことがあります(笑
「樹木がすごい」、これを見に行きたいです。
水屋神社を初めて知ったのも、巨木サイトでした。
あの辺り、名張に住んでいた頃には何度も通ったのに、
勿体ないことをしました。
おっしゃる通り、エンジン形式です。
そして車好きもその通りでして、
我慢してるのもその通りです(笑
夜中に山の方へ走りに行って、星を見たりするのがストレス発散になっていたのに、
それが出来ないのも問題です。
今年の一番の目標は、車を買うことかも知れません。