神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

大屋神社

2008年07月07日 | 滋賀県
滋賀県蒲生郡日野町杉

琵琶湖の面積は滋賀県全体の約6分の1である、という事実を、案外と知らない人が多い。極端な場合、滋賀県の半分くらいが琵琶湖だと思っている人もいる。
だが、湖東の広大な平野を見れば、滋賀県の広さ、豊かさを実感する。
この大屋神社のある辺りも、琵琶湖からは遠く離れている。水田と、丘陵と、そしてその向こうに、長大な鈴鹿山脈が横たわる。
琵琶湖から離れていても、やはりどこかに湖国の雰囲気がある。この神社もまた、私が持つ、湖国のイメージに沿うものだ。
参道を覆う杜は、水田の先に濃い緑の帯を描く。そこは緑のトンネルで、水田を吹き渡る風が木々の葉を揺らす、音のトンネルでもある。
湖国では何故か、時間の流れがゆるやかに感じられるのである。



伸びやかな水田地帯を横切る参道を、豊かな杜が包んでいる。


風と木漏れ日が気持ち良い参道。
木の間から田畑も見えるし、さして密度の濃い杜ではないのだが、爽やかな印象を与えてくれる。


緑のトンネルを抜けた目には、明るく感じられる境内。
石段の上に拝殿と、その右手に社務所、更に石段を上ると本殿と末社、という配置。


拝殿前から振り返る。ここから見る参道の美しさは格別だと思う。ここに来るのは二度目だけれど、木漏れ日と緑の濃淡が描く陰影に見惚れる。


本殿のある空間の片隅は、苔の美しさに惚れ惚れしてしまう。
参道の写真を見ても判るように、ここは枯葉が殆ど見当たらない。秋に来たときもそうだったので、地元の方が小まめに清掃されていることが窺え、頭が下がる。


それにしてもこの一画に、とても魅入られてしまった。


朽ちた切株から芽生えた木も美しい・・・。


帰りにもう一度、参道を。


2万5千分1地形図 日野東部
撮影日時 080605 10時~10時半

駐車場 なし 交通量は少ないので、道の広くなっているところに出来るだけ端に寄せて駐車。
地図