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社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

仏の労働法改正と日本の「働き方改革」

2017年09月18日 | 社会問題
 前回は、英の労働党を例として、左派における新自由主義的価値観の浸透を問題視した。で、コービンの躍進、それを若者が支持するという昨今の現象は、かつてあった左派のネオリベ下に対する揺り戻しであると、私は考えている。

 この点を踏まえると、仏において、先の大統領選挙で新しい大統領に選ばれたマクロンの労働法改正の一連の試みは、英であったことを今更のように繰り返そうとしているように見える。そして、仏の労働者や若者は、そうした動きに激しく抵抗している。

 私個人の感想としては、新自由主義の信奉者マクロンが大統領になれば、こうなることは目に見えていたはずだと思うのだが。実際彼が、オランド政権時に閣僚だった際にも、労働者に不利な法案を強引に通していた。

 さて、こうした動きを顧みて、考えるべきは日本の「働き方改革」だろう。

 私個人の考えとしては、例えば「多様な働き方」という看板の下に「不安定な雇用」を正当化するという政策が押しつけられないと危惧している。で、それによって、現政権が、大衆的支持を引きつけるということになるのだろうか? かつてのサッチャーやその後のブレアの政策を見ているようで、その先には暗澹たる未来しか見えない気がする。

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