a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

パリ20区(entre les murs)を見る。

2015年03月08日 | 映画
パリ20区、僕たちのクラス [DVD]
クリエーター情報なし
紀伊國屋書店


 映画『パリ20区、僕たちのクラス』を見たので、その感想を。

 評価が高い映画であることは知っていたのだが、私が考えていたよりも、おもしろい映画だった。

 教室の風景を、ドキュメンタリー風に撮っている。なお、主人公のフランソワは、原作の本の著者であり、自身もフランス語の教員として教えていたようである。

 生徒たちの行動や台詞が、ドキュメンタリータッチの映像と相まって、本当にいそうな生徒たちや、ありそうな出来事として、リアルに描かれている。

 が、他方で、親しい仏人の友人とこの映画について、話したことがあるのだが、彼女の友人はパリ郊外の中学で教えているようなのだが、その話によると「この映画はcliheな描き方」と言っていたらしい。

 他方で、そうは言っても現実を反映しているのも事実で、映画の冒頭の教師同士の自己紹介で、パリ郊外から転勤でやっとパリ市内に移れた、と話をする新任教師がいるのだが、これなどは現実を反映していると思う(パリ市内では、20区は難しい地域とされるのだろうが、郊外などからするとまだ比較的良いのだろう)。ちなみに、私が翻訳したパリ郊外のフィールドワークの論文でも、パリ郊外で大変な地域の学校に勤める教員は、地理的近さも手伝ってチャンスがあれば、すぐパリ市内に転勤すると指摘されていた。で、私の仏人友人の友達も、かつてはパリ郊外に勤めていたのだが現在はパリ市内勤務のようである。

 この映画、もっと書きたいことがあるのだが、それについてはまた次回。
 


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