a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

socio-logosとソシオロゴス

2007年11月03日 | 研究生活
 昨日ネットをいろいろと調べていたら、あるサイトにぶつかった。というか、ある本を読んでいたら、Société française de sociologieなる団体が出てきて、そんな組織あったっけ? と思って調べてみたわけである。当初、パリの250名程度の社会学者の組織として発足し、その後、2~3年前に、L'Association française de sociologieという組織に受け継がれたらしい。ちなみに前者が、「仏社会学会」で、後者が「仏社会学協会」という感じ。で、後者は、全国組織らしい。

 で、調べてみると、機関誌の名がsocio-logos。ちなみに、橋爪大三氏が東大の大学院にいた頃に作られ、未だ続いている東大社会学院生の雑誌がソシオロゴスなんだけど、これはそのうち問題になったりしないのだろうか?(まあ、私はソシオロゴスに投稿したことはないので、あちらに行っていたときにも問題はなかったが)

 ちなみに、ネットで全文公開されているので、ものすごく便利。

 それから、仏語圏国際社会学会なるものも発見。これは昔からある組織のようで、自分の知識のなさを反省。でも、こちらの雑誌なら、投稿することもできるかも? と少し邪なことも考えてみたり……。ただし、社会学は、社会学者が属する国や社会によって問題設定が違うので、その点を勘案した上で論文を書かねばならず、それはかなり骨の折れる作業であろうが。

 社会背景が違うので、欧米諸国の問題設定をそのまま日本に導入しても理解されないし、その逆もしかり。これを、日本が「閉鎖的だから」などという人もいるだろうが、また、実際にdomesticな部分もあるだろうが、現実社会の文脈を離れても意味を持たない学問もある。そう考えるならば、致し方ない部分もあると思う。

 ちなみにこの点は、来年度のある講義で扱ってみたいと思っている。丸山とベラーと、それからウェーバーも。ただしそれだけでは学生たちには退屈だろうから、現代の日本の大衆文化も扱ってみたいと思う。

 それと、村上春樹なども。

 それから、村上はすごく「domestic」な作家だと思うのだが、というか、正確には「内にこもる」作家という感じだろうか? それが海外に翻訳されて受けているのは非常に不思議な気がしないでもない。


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