少し前ですが、この映画『タクシー運転手』を見たので、それについて。
軍政下の韓国であった光州事件、それを報道しようとドイツ人ジャーナリストが韓国入りし、タクシー運転手を雇って光州まで行って……。という物語です。
この映画を、この時期、つまりミャンマーでミャンマー国軍がクーデターを起こしている時に、かつての韓国で軍事政権が、軍政に反対してデモを行っている人々を弾圧するという事件の映画を見るというのは、偶然だが、非常に貴重な機会だった。
映画と現実は、決して一致するものではないが、この映画では、軍による一般人の制圧、また一般市民の抗議について、現実の経験を経て作られたであろうエピソードというか、映画上の仕掛けがあって、勉強にもなった。
たとえばタクシーについて。デモに参加して負傷した人々を運ぶ役割を担うから、タクシーも軍の標的になるというエピソード。また、そのタクシー運転手たちが、検閲で事件の記事を書けない記者に向かって、「タクシーに乗りたいならちゃんとした記事を書け」と皮肉を言う場面とか。前者のエピソードについて言うと、今回のミャンマーのクーデタでは、デモに参加した負傷者を治療するため、医療施設もまた軍の制圧対象になっているんだとか。
そして、マスコミ関係者についても。
軍隊が自国の一般市民に銃を向けるという事態、これについて、乗り込んできたドイツ人記者に対して、この事件を海外に発信して欲しいという願いを込めて、この記者を様々な人々が助ける(無論、いろいろな事情で、必ずしもそうでない人もいる)。こうした物語を見ながら、報道というのが、また他の国の報道というものが、いかに大事なのかをあらためて確認したのだった。
軍隊が自国の一般市民に銃を向けるという事態、これについて、乗り込んできたドイツ人記者に対して、この事件を海外に発信して欲しいという願いを込めて、この記者を様々な人々が助ける(無論、いろいろな事情で、必ずしもそうでない人もいる)。こうした物語を見ながら、報道というのが、また他の国の報道というものが、いかに大事なのかをあらためて確認したのだった。