a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

サルトル、ルカーチ、アルチュセール

2006年11月17日 | 読書
 今日は、これから読もうと思っている本の紹介。

Sartre, Luk?cs, Althusser: des marxistes en philosophie

 この本、クベラキスという仏の若手(すでに中堅?)の哲学者の編集による論文集。ジェイムソンのサルトル論、ジジェクのルカーチ論、それからアルチュセールについてはマシュレの論稿が入っている。マシュレの論稿は、仏滞在時に発表で聞いたものだったりして、俄に当時のことが思い出される(あまり良い思い出はないのだが)。

 ちなみに、2001年に開催されたマルクス国際会議のアルチュセールセッションにおいて、マシュレの発表の際に、自らの青春をぶつけんばかりのコメントをしたのが、このクベラキス。それなりに注目されている人だが、おそらく邦訳はないのではないかと思う(確認していないが)。

 この著作、まだしっかりと読んでいないので、なんともコメントできないのだが、ジェイムソンの論稿の中で、マルクスの議論に関して「構造」という語が使われているのを見つける。こうした点を考えると、「アルチュセールは、デュルケムに対するパーソンズの役割を、マルクスに対して果たした」といった旨のことを言った(正確な引用ではないが)ギデンズの言葉もあながち的はずれではないのかもしれないと思ったりもする。(実際のところ、アルチュセール自身は、自身の著作の機能主義的な解釈に対しては反論しているのだが。英米のとりわけ社会学に置いて、そうした問題設定による解釈があり得るのは誰もが考えることだろうが[橋爪先生も同じことを言っていた]、パーソンズ的な機能主義との関連に置いて彼の理論を受容・批判する議論は仏でもあったようだ)


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