Du labour au new labour de tony blair | |
クリエーター情報なし | |
P U Du Septentrion |
フランス語で書かれた本だが、トニーブレアの労働党政権を「内側」から分析した著作である。
ここでは本の紹介よりも、著者について気になったので説明を。
というのも、ニュー・レイバーについての批判的分析研究は、私が調べたかぎりでは、イギリスの本では多いようには思われない。スチュアート・ホールがブレア批判の本を書いているが(こちら)、批判が中心で、なぜブレアのネオリベ政策が労働党に浸透し、人々の支持を得たのかという「分析」がなされていない。これは、ただ単に私が不勉強なだけだからかもしれないが。
ニューレイバーに関する批判的な分析は、イギリスよりも、イギリスの外からなされているものが多いように思われる。
と、思って上の本を購入したのだが……。
本が届いて驚いたのは、この本、ソルボンヌで教鞭を執るイギリス史を専門とするイギリス人の歴史学者による著作である。
そうした意味で、仏語で書かれているが、たしかに「内側」からの分析である。
で、この著者、ソルボンヌでイギリス史を教えているのだが、私が驚いたというか、考えたのは、イギリス史を専攻とするイギリス人の歴史学者でさえ、イギリスで教職を探すのが難しいのか? ということである。
これに関連しては、いくつか考えたことがあるのだが、それについてはまた次回。