故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

老人車を試乗

2024-09-05 06:15:04 | よもやま話

絵のタイトルは、「僕一人で渡れるよ」です。
自立心に年齢は関係ない。
余計な心配をすると、
「私ヤ、そこまで呆けとらん」と叱られます。


先制点 日本は決まり アメリカノー

台所でRCCががなり立てる。
居間でテレビが煽り立てる。
どちらもカープ中継です。
森下、アドワで連敗した。
2位の巨人も負けた。
3位と4位が息を吹き返す。

台所の窓を叩くものがいる。
妻が出ると、90歳超のおばあさんである。
千葉にいる娘がなしを送ってくれた、一人では食べきれんからと持ってきてくれたのである。
長湯をしていた私に妻が話しかける。
暗くなり危ないから、私が車で老人を届け、老人車を運んでくれる。

かくして、私は「老人車を試乗」(今日のタイトル)することになった。
スイッチを入れ、前進(あるいは後退)のレバーを倒し、自転車のブレーキの場所のアクセルを引く。
アクセルレバーを元に戻すと、ブレーキがかかる。
歩いて5分、車で1分を30分かけて運転した。
夜間用ライトはない、運転すると小灯が点滅し対向車に知らせる。
実に遅い、歩くより遅い。
ライトを点けた対向車が来るも徐行することはない。

風呂上がりに夜風が気持ちよい。
対向車よ来るなと唱えながら、老人のうちまで到着した。
暗い中、よくぞ来てくれたものと感謝の意がふつふつと湧いてきた。
いずれは、老人車に乗ることもあるだろう。
公道を走るのは危険であると感じた。
2Km先のホームセンターに行き、脚置き場のスペースに肥料を載せて帰ってくる。
友人のお母さんの足となっている老人車です。

玄関の段差に簡易スロープを加え、わずか2段の上がり框に手すりを付ける。
そして、廊下にも手すりをつけ、すべての電灯のひもを長くする。
居間以外の寝所に、テレビのコードを引く。
こんな準備はきりがない。
美味しいものを世話になる友人に分けようという心がけが美しい。
これは準備というより、志です。
私たちには時間がある。
こうと思えば、できるのです。

2024年9月5日
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