僕はびわ湖のカイツブリ

滋賀県の風景・野鳥・蝶・花などの自然をメインに何でもありです。
“男のためのガーデニング”改め

湖東の巨樹を巡る5~「昭和町のムクノキ(西の椋の木)」「大隴神社のスギ」~

2020-12-15 05:50:05 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 八日市市「昭和町のムクノキ(西の椋の木)」

旧八日市市(東近江市に合併)には「八日市市昭和町のムクノキ」と呼ばれる巨樹があり、別称「西の椋の木」と呼ばれています。
かつてこの付近には「東の椋」と「西の椋」という2本のムクノキの巨樹があったといいますが、現在は「西の椋」のみが残っているといいます。

「東の椋」は太平洋戦争の時に飛行場建設の邪魔になるということで伐採されてしまったようですが、「西の椋」は住宅地の中の一角にランドマークのように立っている。
通りすがりに偶然見つけたのですが、圧倒されるような巨樹でしたので車を停めて、しばらくその姿に見惚れていました。



「昭和町のムクノキ」は幹周が7.3m、樹高が22mで推定樹齢は650年だといい、ムクノキとしては県内最大級で滋賀県自然記念物にも指定されている。
まず最初に目を引くのは、根元近くの幹部分の特徴的な形でしょうか。見る方向によって随分と形が違います。



力強く立ち上がって見える幹、横に広がりやや内側に湾曲したように見える幹、根からせり上がったような幹がゴツゴツとした凹凸を与えている幹。
どの角度から眺めても威圧感や力感があります。



これだけの巨樹ですから寄生するサルノコシカケもあまり見かけることのないくらい大きい。
子猿なら腰掛られるように思えるが、昔はこのような大きなサルノコシカケを置物にしている家があったような記憶があります。



ムクノキの全体を見ても、よくこの狭いスペースで樹勢良く残っているものだと、その生命力に驚いてしまいます。
窓を開けたら目の前にこんな巨樹があるというのも、ある意味で不思議な感じがしますね。



愛荘町「大隴神社のスギ」

愛知郡愛荘町の「大隴神社」は、かつて大領堂・大領宮と呼ばれ、古代の郡衙(郡の官人が政務を執った役所)の長官職が大領であったことが社名の由来となっているといいます。
大隴神社の境内は愛知郡衙跡だったといい、古代愛知郡を治めていたとされる渡来系氏族・依智秦氏(秦氏の一族)との関係が指摘されているそうです。



大隴神社の御祭神は「伊邪那美命」、配祀神は「建速須佐之男命」「大山咋命」「大物主命」の三柱となっています。
境内は広く木々が茂り、拝殿へと向かう参道の右側には森、左側には大きな御神田があり、かつての境内地が広大な物であったことが伺われます。



参道を抜けると、拝殿の左に見上げるような御神木が見えてきて圧倒される。
境内に木々の多い神社ですが、さすが御神木だけあってサイズ感が全く違います。





大隴神社は天正元年(1573年)の兵火で社殿・古文書・社宝などが焼失、江戸初期の正保慶安年間に本堂を再建、明治に入ってからは拝殿・幣殿・渡廊・社務所等を建立したとされます。
拝殿からは渡廊と幣殿が拝めるが、幣殿の中にある本殿へは渡廊を通らないと行けないようでした。



本殿は三間社流造で重厚感のある社となっていて、拝殿→渡廊→幣殿→本殿とつながるまさに神の道。
反対側の道は、鳥居や太鼓橋へと一直線につながっていく。



さて、「大隴神社のスギ」はその大きさもさることながら、右回りにねじれた姿に驚きます。
何の影響でこのようにねじれながら巨樹となっていったのか分かりませんが、不思議なエネルギーのようなものを感じます。



ねじれたスギの木は、他の地方にもあるのかもしれませんが、この「大隴神社のスギ」のねじれは藁を綯ったような規則性があり、木肌の茶色が生々しい感じがします。
幹周は4.8m、樹高28m、推定樹齢300年の見事な巨樹です。





境内地には広い御神田がありましたので、林沿いに少し歩いてみる。
鳥居と垣の中にあり、横に木の鳥居がありますので御神田に間違いはないのですが、それにしても広い田圃です。

大隴神社の向かいには造り酒屋「藤居本家」の大きな酒蔵があり、愛荘町には他にも「愛知酒造」という酒蔵があるといいます。
酒蔵があるということは上質な伏流水と酒造好適米がある地ということになりますので、お米もお酒も美味しいのでしょう。とびっきり美味しいお酒を冷やで一杯やりたいものです。



ところで境内を歩いている時に小川に架かる橋の下にホシゴイを発見!
ゴイサギやホシゴイは滋賀では夏鳥ですので、冬にはあまり見かけない鳥ですが、稀に冬のホシゴイ(ゴイサギ)に出会うことがあります。
無事に越冬して欲しいものです。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 湖東の巨樹を巡る4~「池寺... | トップ | 「藤ヶ崎龍神」と「五所神社... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山」カテゴリの最新記事