米原市にある滋賀県立文化産業交流会館では、開館35周年を記念して「スティーヴ・ライヒ/ドラミング~湖国が生んだ打楽器奏者の協演~」が開催されました。
「スティーブ・ライヒ」は現代音楽の巨匠のひとりであり、ミニマル・ミュージックを代表するアメリカの作曲家で、「ドラミング」はライヒの初期の代表作とされています。
演奏するのは滋賀にゆかりのある打楽器奏者17名と声楽家2名、ピッコロ1名の総勢20名による演奏です。
滋賀県出身やゆかりのある打楽器奏者がそれだけ多人数の方がおられて、音楽の世界で活躍されているのは知らない世界だけに少し驚きました。
尚、今回の「ドラミング」の演奏は滋賀では初演、日本では6年振りの公演だそうです。
現代音楽は一般的にはクラッシック音楽の流れを汲むもので、クラッシックをキリスト教の宗教音楽やバロックなど宮廷音楽の伝統的な作曲技法や演奏法による音楽と仮にする。
対する現代音楽は、従来の音楽様式を否定・更新した先鋭的な音楽を指すことが多く、そこは19世紀末から20世紀以降のアートの世界と似ています。
スティーヴ・ライヒに代表されるミニマル・ミュージックは、最小限の音の動きを繰り返し反復させる音楽で、有名なところではフィリップ・グラスやテリー・ライリー、マイケル・ナイマンなど。
マイケル・ナイマンは映画「ピアノ・レッスン」などの音楽で認知度が高くなり、数々の映画音楽で有名になりました。
そのマイケル・ナイマンは、ブライアン・イーノのオブスキュア・レコードからデビューしており、「ディケイ・ミュージック」という傑作を残しています。
イーノはその後アンビエント・ミュージック(環境音楽)を提唱していきますが、その背景にはエリック・サティの「家具の音楽」の影響があったのかもしれません。
さて、開場時間を見計らって、会場へ到着すると第一駐車場は既に満車。
隣の施設の駐車場に駐車した人が会館に向かうのが見え、電車組が駅の方からも人が歩いてくる。中には新幹線での来館組もいたかもしれませんね。
ホールの中は開演の頃には9割近く席が埋まっているように見えました。当方は舞台中央の前から3列目で前後左右が空席という奇跡の席に座ります。
演奏は全4楽章構成で演奏されます。
第一楽章はポンゴの演奏でイメージとしてはアフリカの先住民の宴のような演奏で、ポンゴ奏者は4名。
ポンゴの演奏は故意にズレながら微妙なバランスを保って再び元の反復に戻っていく。
第二楽章はマリンバと声楽の演奏で海を連想されるような作品で、4音くらいで構成される主旋律に強弱を付け、何度も反復しながら音が増えていき重厚さを増していきます。
最大時は9名のマリンバが共鳴して、声とマリンバが同じ旋律をユニゾンを奏でます。
(滋賀県立文化産業交流会館)
楽章間はフェードアウト・インでつながり、第三楽章はブロッケンの演奏となり、金属製の音板の高音の反復と声楽者2名の声や口笛が絡み合う。
さながら静かな朝の森に陽が差し込み始めて、小鳥の囀りが聞こえてくるような早朝の心地よい森の中での目覚めといった印象です。
第4楽章では全打楽器と歌とピッコロという編成になり、交互に繰り返される声とピッコロとポンゴのリズムがうねるような迫力があり、とても心地よい。
近くには体を揺すりながらリズムを取って聴いている人が複数いて、現代音楽をホールで聴くのが初めてだった当方にはこれも衝撃でした。
演奏が終わると会場は拍手の渦です。
アメリカ人ならスタンディングオベーションとなるところ、日本人ばかりなので座っての拍手なものの、手が痛くなりそうなくらいの熱く強い拍手です。
3度、4度とカーテンコールが続いても客席からは割れんばかりの拍手が鳴り止みませんでした。
(開場直後のイベントホール)
こうして生で見ると、現代音楽のファンの多さ、特にライヒのファンが数多く世の中に存在していて、みな今日の日を楽しみにしていたことが感じられます。
終わってからもいい意味での余韻が残るコンサートでしたが、たしか家にライヒのCDがあったはずと押し入れの中を探してみたら何と5枚もライヒ関係のCDが出てきました。
何十年もしまい込んだまま、再び聞き返すことなく忘れ去っていましたが、昔はそこそこ熱心なライヒ・ファンだったんだなと記憶を思い返す。
今の感性で改めてライヒを聴いてみて、ライヒの音楽にはアイデアや技巧・要素、先進的な手法など聞くものに表現の可能性を訴えかける音楽なんだなと実感しました。
おそらく影響を受けた人で、現在も活躍中の音楽家やアーティストは多いのではないでしょうか。
繰り返しますが、演奏が終わった後、自分を含めた観客の感動と熱狂ぶりは、演奏と音楽の素晴らしさを感じさせてくれるものでした。
「スティーブ・ライヒ」は現代音楽の巨匠のひとりであり、ミニマル・ミュージックを代表するアメリカの作曲家で、「ドラミング」はライヒの初期の代表作とされています。
演奏するのは滋賀にゆかりのある打楽器奏者17名と声楽家2名、ピッコロ1名の総勢20名による演奏です。
滋賀県出身やゆかりのある打楽器奏者がそれだけ多人数の方がおられて、音楽の世界で活躍されているのは知らない世界だけに少し驚きました。
尚、今回の「ドラミング」の演奏は滋賀では初演、日本では6年振りの公演だそうです。
現代音楽は一般的にはクラッシック音楽の流れを汲むもので、クラッシックをキリスト教の宗教音楽やバロックなど宮廷音楽の伝統的な作曲技法や演奏法による音楽と仮にする。
対する現代音楽は、従来の音楽様式を否定・更新した先鋭的な音楽を指すことが多く、そこは19世紀末から20世紀以降のアートの世界と似ています。
スティーヴ・ライヒに代表されるミニマル・ミュージックは、最小限の音の動きを繰り返し反復させる音楽で、有名なところではフィリップ・グラスやテリー・ライリー、マイケル・ナイマンなど。
マイケル・ナイマンは映画「ピアノ・レッスン」などの音楽で認知度が高くなり、数々の映画音楽で有名になりました。
そのマイケル・ナイマンは、ブライアン・イーノのオブスキュア・レコードからデビューしており、「ディケイ・ミュージック」という傑作を残しています。
イーノはその後アンビエント・ミュージック(環境音楽)を提唱していきますが、その背景にはエリック・サティの「家具の音楽」の影響があったのかもしれません。
さて、開場時間を見計らって、会場へ到着すると第一駐車場は既に満車。
隣の施設の駐車場に駐車した人が会館に向かうのが見え、電車組が駅の方からも人が歩いてくる。中には新幹線での来館組もいたかもしれませんね。
ホールの中は開演の頃には9割近く席が埋まっているように見えました。当方は舞台中央の前から3列目で前後左右が空席という奇跡の席に座ります。
演奏は全4楽章構成で演奏されます。
第一楽章はポンゴの演奏でイメージとしてはアフリカの先住民の宴のような演奏で、ポンゴ奏者は4名。
ポンゴの演奏は故意にズレながら微妙なバランスを保って再び元の反復に戻っていく。
第二楽章はマリンバと声楽の演奏で海を連想されるような作品で、4音くらいで構成される主旋律に強弱を付け、何度も反復しながら音が増えていき重厚さを増していきます。
最大時は9名のマリンバが共鳴して、声とマリンバが同じ旋律をユニゾンを奏でます。
(滋賀県立文化産業交流会館)
楽章間はフェードアウト・インでつながり、第三楽章はブロッケンの演奏となり、金属製の音板の高音の反復と声楽者2名の声や口笛が絡み合う。
さながら静かな朝の森に陽が差し込み始めて、小鳥の囀りが聞こえてくるような早朝の心地よい森の中での目覚めといった印象です。
第4楽章では全打楽器と歌とピッコロという編成になり、交互に繰り返される声とピッコロとポンゴのリズムがうねるような迫力があり、とても心地よい。
近くには体を揺すりながらリズムを取って聴いている人が複数いて、現代音楽をホールで聴くのが初めてだった当方にはこれも衝撃でした。
演奏が終わると会場は拍手の渦です。
アメリカ人ならスタンディングオベーションとなるところ、日本人ばかりなので座っての拍手なものの、手が痛くなりそうなくらいの熱く強い拍手です。
3度、4度とカーテンコールが続いても客席からは割れんばかりの拍手が鳴り止みませんでした。
(開場直後のイベントホール)
こうして生で見ると、現代音楽のファンの多さ、特にライヒのファンが数多く世の中に存在していて、みな今日の日を楽しみにしていたことが感じられます。
終わってからもいい意味での余韻が残るコンサートでしたが、たしか家にライヒのCDがあったはずと押し入れの中を探してみたら何と5枚もライヒ関係のCDが出てきました。
何十年もしまい込んだまま、再び聞き返すことなく忘れ去っていましたが、昔はそこそこ熱心なライヒ・ファンだったんだなと記憶を思い返す。
今の感性で改めてライヒを聴いてみて、ライヒの音楽にはアイデアや技巧・要素、先進的な手法など聞くものに表現の可能性を訴えかける音楽なんだなと実感しました。
おそらく影響を受けた人で、現在も活躍中の音楽家やアーティストは多いのではないでしょうか。
繰り返しますが、演奏が終わった後、自分を含めた観客の感動と熱狂ぶりは、演奏と音楽の素晴らしさを感じさせてくれるものでした。
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