昨年は花の身頃について、遅きに失することが多かったので花暦的な備忘録を残しておいた。しかし当然だが年毎に気候が異なるので、例年の見頃から少し早めにチェックしておく必要がある。今は大寒波が襲ってきて冷蔵庫の中にいるような陽気だが、年末年始が「海に入れる」ほど暖かかったからか、何となく今年は冬の花について見頃が早まっているらしい。2月に訪れるつもりだった二宮吾妻山公園だが、昨年末から自慢の菜の花が咲き始め、「菜の花ウォッチング」というイベントが始まる1月上旬は既に見事に咲きまくっているようだ。私は訪れたことがないのだが、地元周辺の友人には人気が高く「子供の小さい頃よく遊びに行った」とか「毎年ウォッチングには必ず行く」という人が多い。年明け早々、早速見事に咲いた菜の花をアップしている友人もいて、「こりゃ、急がなきゃいかんわな」と作戦を練っていた。満開の時期になると駅前の小さな駐車場はすぐに満車となってしまい、ちょっと距離のある臨時駐車場を利用しなければならないようだ。
目の前に鮮やかな菜の花畑、その向こうに相模湾一望、正面に富士山という、葛飾北斎も涎をたらすような風景をぜひ母に見せてやりたいと思ったが、「花暦編」にも書いたように、ちょっとこの名所はハードルがあったのだ。案内図面を見ると展望台まで駅前の「役場口」からは距離コースで近いが階段にして300段以上上らなければならないし、反対側の「中里口」からだとゆるい登り坂だが20分以上歩き続けなければならないようだ。どちらも臨時駐車場から歩いて20分くらいあり、年寄りにはちょっと優しくない行程だ。念のため役場に「高齢者向けの往復シャトルサービスのようなものは無いのか?」聞いたところ、残念ながらそういうものはないという。とりあえず母はおいといて、私は偵察も兼ねて妻を誘って出かけることにした。我が家からは134号から西湘バイパス二宮IC経由で40分くらいだ。「臨時駐車場」というところは「ラディアン花の丘公園」隣の町営駐車場で「なーんだ、ここ普段なら無料駐車場じゃん・・・」という広場だった。
展望台までの二つのルートはどちらも徒歩45分くらいというところだったので、まずは散歩がてら「中里口」という駅とは反対側の入り口からゆるい坂を上ることにした。このあたりは落花生の製造が盛んらしくあちこちに老舗らしき販売店が見られる。入り口までの道のりは時々分かりにくい曲がり角があり、「菜の花ウォッチング」期間中は矢印看板があるが、何もイベントがないときは結構難しいかもしれない。上り坂に差し掛かっても普通の民家が道路沿いにはあり、自家用車で公園入り口手前まで上ることはできるが、むろん駐車できるスペースはなくUターンも結構キツそうだ。正月が暖かかったからか、もう既に梅の花が咲き始めている。裏山からのルートということもあり、途中にめぼしい景色もなく単なる山道を淡々と登るだけで、しかも時々結構キツい傾斜もある。「緩やかな登り坂と言っても、長興山のしだれ桜にあった坂の倍以上あるな。公園入り口まで車で来たとしても、これを上らすのは無理かもな」
我々はさっさと歩き上ってしまうので15分くらいで展望台に着いた。6万株と聞く菜の花は南側と西側の斜面に咲き誇っていた。なるほどこれは素晴らしい景色だ。あいにく低い雲が空を覆い始めて、なおかつ富士山も下の方に広がる雪しか見えない状態だったが「展望台まで上る疲れが吹っとぶ」というのが実によく分かる。風景のカメラマンらしき人は「雲がとれる」のを待ち望んでいるのか富士山にレンズを向けたまま談笑している。相模湾西部は真鶴半島や伊豆半島までも眺められ、一面の菜の花と西湘の街並み、その向こうの山々も一辺に被写体に入れることができる。薄黒く覆い始めてしまった雲の下に大地との間にわずかに青い空が広がりそれが太陽光に反射して光って見える不思議な光景だった。菜の花斜面の真下には腰掛けられる石段が伸びていてレジャーシートを敷いて弁当を出している家族もあった。「ビールとつまみがあったら良かったな」「でも海と富士山だけなら歩いて数分のところにあるからねえ・・・」
広々とした広場は若干うねうねと傾斜があり、ボール遊びなどは禁止だそうだ。菜の花とは反対側の広がった斜面には芝の刈り込みがあり、よく見るとネコの絵とあまり似ていない「ドラえもん」だった。そしてスロープを降りていくとかなり大きな長いローラー滑り台が見えてきた。かなり下の方までうねり曲がっていて、スピードも出そうだったので滑ってみることにした。さすがに菜の花に埋もれてピースサインするには抵抗があったから私は後ろから続く妻にし「これで後ろから撮って」と超兵器203号を渡したのだった。気の毒に先に「滑りたい」と言い出したのは妻なのに、「滑りながら撮影」をリクエストしたために、やけに苦戦させてしまった。最初こそローラーの様子見でそろそろ滑り降りていたが、そのうちにノロさにまだるっこしくなり、背中のリュックを抱え直して、ウォータースライダーでスピードアップする要領で身体を一直線に反り伸ばし、かかとと背中だけを接点に一気に加速した。ちょっと加速し過ぎて途中の急カーブで何度かコースアウト(つまり転落)しそうになりながら。。。
帰りのルートは駅前の役場口に向かって階段を下りることになるが、石段になるまでに結構険しい山道のような不規則な段差の坂が続く。相模湾を見ながらのウォークは中々気持ちよいものだった。駐車場からはさくさく歩いて30分、展望台で30分、降りるのはあっという間で20分もかからない。それほど運動にはならず、あの素晴らしい景色を楽しめて我々には満足だったが、残念ながら二つのルートどちらとも高齢の母にはちょっと無理なような気がした。後にそのことを母に話すと、実はそんなに昔ではない以前、一度グループで訪れたことがあるという。満開の菜の花、霊峰富士、輝く相模湾の三冠を達成する素晴らしき日だったようだが、弁当を食べている時にしきりにとんびに襲われて難儀した印象が強いらしく、最初の私がこの話をしだした時に「あー、あのとんびの公園ね」と、気の抜けたような返事に何やら拍子抜けしてしまった。。。
母をこの公園に連れ出すことはないかもしれないが、菜の花シーズンだけでなくソメイヨシノや芝桜、ツツジ、アジサイなど多くの季節を楽しめそうな、今年の花見初めとしてはかなりの高ランキングの花の名所だった。ここしばらく大寒波による影響で我が街周辺もかなり冷え込んでおり、山間部では雪も積もりつつあるという。タイミングの悪いことに例の「○木坂」の握手会にいそいそと京都に追いかけて行った息子甘辛は思わぬ大雪に遭遇し、屋外で順番待ちに何時間も並ぶ羽目になったらしい。何やら松○修三さんが国外に出て行く(今はメルボルンらしい)と日本には大寒波がやってくるという記事を見た。いかにも都市伝説だが、昨年も聞いたことがあるし何となく納得できる。こんなピンポイント異常気象を除けば今年はどうやら暖冬で、花が咲く時期が例年よりも早いらしい。次は恐らく小田原や別所の梅林、そして松田山ハーブガーデンの早咲き桜と続く。今年は抜かりなく「ここのこれが今、見頃」というアンテナを張って早めに仕掛けていこうと思う。
目の前に鮮やかな菜の花畑、その向こうに相模湾一望、正面に富士山という、葛飾北斎も涎をたらすような風景をぜひ母に見せてやりたいと思ったが、「花暦編」にも書いたように、ちょっとこの名所はハードルがあったのだ。案内図面を見ると展望台まで駅前の「役場口」からは距離コースで近いが階段にして300段以上上らなければならないし、反対側の「中里口」からだとゆるい登り坂だが20分以上歩き続けなければならないようだ。どちらも臨時駐車場から歩いて20分くらいあり、年寄りにはちょっと優しくない行程だ。念のため役場に「高齢者向けの往復シャトルサービスのようなものは無いのか?」聞いたところ、残念ながらそういうものはないという。とりあえず母はおいといて、私は偵察も兼ねて妻を誘って出かけることにした。我が家からは134号から西湘バイパス二宮IC経由で40分くらいだ。「臨時駐車場」というところは「ラディアン花の丘公園」隣の町営駐車場で「なーんだ、ここ普段なら無料駐車場じゃん・・・」という広場だった。
展望台までの二つのルートはどちらも徒歩45分くらいというところだったので、まずは散歩がてら「中里口」という駅とは反対側の入り口からゆるい坂を上ることにした。このあたりは落花生の製造が盛んらしくあちこちに老舗らしき販売店が見られる。入り口までの道のりは時々分かりにくい曲がり角があり、「菜の花ウォッチング」期間中は矢印看板があるが、何もイベントがないときは結構難しいかもしれない。上り坂に差し掛かっても普通の民家が道路沿いにはあり、自家用車で公園入り口手前まで上ることはできるが、むろん駐車できるスペースはなくUターンも結構キツそうだ。正月が暖かかったからか、もう既に梅の花が咲き始めている。裏山からのルートということもあり、途中にめぼしい景色もなく単なる山道を淡々と登るだけで、しかも時々結構キツい傾斜もある。「緩やかな登り坂と言っても、長興山のしだれ桜にあった坂の倍以上あるな。公園入り口まで車で来たとしても、これを上らすのは無理かもな」
我々はさっさと歩き上ってしまうので15分くらいで展望台に着いた。6万株と聞く菜の花は南側と西側の斜面に咲き誇っていた。なるほどこれは素晴らしい景色だ。あいにく低い雲が空を覆い始めて、なおかつ富士山も下の方に広がる雪しか見えない状態だったが「展望台まで上る疲れが吹っとぶ」というのが実によく分かる。風景のカメラマンらしき人は「雲がとれる」のを待ち望んでいるのか富士山にレンズを向けたまま談笑している。相模湾西部は真鶴半島や伊豆半島までも眺められ、一面の菜の花と西湘の街並み、その向こうの山々も一辺に被写体に入れることができる。薄黒く覆い始めてしまった雲の下に大地との間にわずかに青い空が広がりそれが太陽光に反射して光って見える不思議な光景だった。菜の花斜面の真下には腰掛けられる石段が伸びていてレジャーシートを敷いて弁当を出している家族もあった。「ビールとつまみがあったら良かったな」「でも海と富士山だけなら歩いて数分のところにあるからねえ・・・」
広々とした広場は若干うねうねと傾斜があり、ボール遊びなどは禁止だそうだ。菜の花とは反対側の広がった斜面には芝の刈り込みがあり、よく見るとネコの絵とあまり似ていない「ドラえもん」だった。そしてスロープを降りていくとかなり大きな長いローラー滑り台が見えてきた。かなり下の方までうねり曲がっていて、スピードも出そうだったので滑ってみることにした。さすがに菜の花に埋もれてピースサインするには抵抗があったから私は後ろから続く妻にし「これで後ろから撮って」と超兵器203号を渡したのだった。気の毒に先に「滑りたい」と言い出したのは妻なのに、「滑りながら撮影」をリクエストしたために、やけに苦戦させてしまった。最初こそローラーの様子見でそろそろ滑り降りていたが、そのうちにノロさにまだるっこしくなり、背中のリュックを抱え直して、ウォータースライダーでスピードアップする要領で身体を一直線に反り伸ばし、かかとと背中だけを接点に一気に加速した。ちょっと加速し過ぎて途中の急カーブで何度かコースアウト(つまり転落)しそうになりながら。。。
帰りのルートは駅前の役場口に向かって階段を下りることになるが、石段になるまでに結構険しい山道のような不規則な段差の坂が続く。相模湾を見ながらのウォークは中々気持ちよいものだった。駐車場からはさくさく歩いて30分、展望台で30分、降りるのはあっという間で20分もかからない。それほど運動にはならず、あの素晴らしい景色を楽しめて我々には満足だったが、残念ながら二つのルートどちらとも高齢の母にはちょっと無理なような気がした。後にそのことを母に話すと、実はそんなに昔ではない以前、一度グループで訪れたことがあるという。満開の菜の花、霊峰富士、輝く相模湾の三冠を達成する素晴らしき日だったようだが、弁当を食べている時にしきりにとんびに襲われて難儀した印象が強いらしく、最初の私がこの話をしだした時に「あー、あのとんびの公園ね」と、気の抜けたような返事に何やら拍子抜けしてしまった。。。
母をこの公園に連れ出すことはないかもしれないが、菜の花シーズンだけでなくソメイヨシノや芝桜、ツツジ、アジサイなど多くの季節を楽しめそうな、今年の花見初めとしてはかなりの高ランキングの花の名所だった。ここしばらく大寒波による影響で我が街周辺もかなり冷え込んでおり、山間部では雪も積もりつつあるという。タイミングの悪いことに例の「○木坂」の握手会にいそいそと京都に追いかけて行った息子甘辛は思わぬ大雪に遭遇し、屋外で順番待ちに何時間も並ぶ羽目になったらしい。何やら松○修三さんが国外に出て行く(今はメルボルンらしい)と日本には大寒波がやってくるという記事を見た。いかにも都市伝説だが、昨年も聞いたことがあるし何となく納得できる。こんなピンポイント異常気象を除けば今年はどうやら暖冬で、花が咲く時期が例年よりも早いらしい。次は恐らく小田原や別所の梅林、そして松田山ハーブガーデンの早咲き桜と続く。今年は抜かりなく「ここのこれが今、見頃」というアンテナを張って早めに仕掛けていこうと思う。