本日の文教福祉委員会で審議された生活困窮者自立促進支援モデル事業は、
私が昨年の8月議会で質問しました、「庁内の横断的連携によるワンストップでの生活困窮者の市民相談実施」へ一歩前進です!
このモデル事業を実施する自治体は、全国で69 千葉県内で6自治体のうちの一つが佐倉市。
先進市ではすでに実施している事業です。
厚労省のセーフティーネット支援対策等事業費補助金による全額補助17,666千円。
生活保護受給に至る前の経済的困窮者の家計に関する相談や就労など生活再建に向けた支援の実施と体制づくりです。
本人もしくは家族の病気やけが、失業で、ある日突然、経済的に困窮する・・誰にでも起こりうる事ですし、
私の元にもご相談があります。
生活保護受給者が年々増加し、この9月の受給者数が213万3905人で、過去最高となりました。
生活保護になる前の生活困窮者の生活再建と就労支援の体制づくりをしっかりと構築することが急務です。
下記H24年8月議会で生活困窮者に対する相談窓口の一本化についての一般質問の議事録
○議長(山口文明) 橋岡協美議員。
◆6番(橋岡協美) 一連のその滞納解消について伺いました。他部局との連携について伺いたいのですが、今や市区町村の事務もいわゆる縦割り行政から庁内の横断的連携による取り組みへとシフトしていくことが求められています。子育て、社会福祉、納税の各課は、社会生活において困難を抱えている方々とかかわる場面が多いと考えられます。これら各課から相談事業への紹介がなされて支援がなされることになると、これら各課担当者の業務遂行も円滑になると考えられ、行政全体の効率化につながると考えられます。ここで考えていただきたいのは、滞納問題の先に複数の部署が所管する事案につながる場合、例えば市民の方が、市民税、保育料、給食費とそれぞれの担当課を市に来て回り、それぞれの担当者が事情を聞くとなると大変非効率になります。1つの担当課で10分かかったとして3課で30分かかっていることになります。そしてまた、市民のいらいらも募っていきます。市民サービスの向上とはかけ離れた方向ではないでしょうか。現在耐震化率が低い建物から部局の移転が始まり、また大変わかりづらくなっている庁内であります。佐倉市では市民税、固定資産税、国民健康保険税の徴収部門の一元化が進みましたが、さらに情報の共有化や問題解決については、他部局との連携はあるのでしょうか。
○議長(山口文明) 税務部長。
◎税務部長(藤原文夫) お答えいたします。
滞納者に関する徴収部門と他部門との情報の共有につきましては、どうしても制度上の縛りがございますので、現在行っておりません。滞納者との納税相談では、相談者の家族構成や収支の状況、資産の保有状況などを詳細にお伺いした上で、早期に税の滞納が解消されるようアドバイスし、納税計画の立案に関与しているわけでございますが、納税相談等で得られた情報は、家庭の事情や所得、資産、負債などのプライバシーに直結する個人情報でございます。また、徴税吏員には一般の職員よりも重い守秘義務が課せられてもおりますので、これらの情報を他部局に提供し共有するといったことは難しいと考えております。しかしながら、例えば生活困窮の原因が過大な債務である場合などのように、生活再建に向け専門家の関与が必要なこともございますので、状況に応じて市の消費生活センターや無料法律相談の利用をご案内しております。また、市の福祉部局等の関与が必要と思われる場合には、担当部局にご相談いただくようアドバイスをしているところでございます。なお、相談者が各部局等に相談するに当たり、市税の滞納情報等が必要な場合には、相談者本人へ情報提供を行うことによって間接的に関係部局等へ情報提供等を図っているところでございます。
以上です。
○議長(山口文明) 橋岡協美議員。
◆6番(橋岡協美) 今の市民相談について、どうしてもなかなか守秘義務、それから個人情報の問題があるから難しいというご説明をいただきました。滞納者の中には多大な債務を負った方もいらっしゃると思います。佐倉市においても多重債務対策としての市民相談の取り組みをしていると伺いましたが、具体的な内容を伺います。また、庁内の関係部局のどこがその会議に出席しているのでしょうか。
○議長(山口文明) 市民部長。
◎市民部長(鈴木孝一) お答えいたします。
佐倉市では国が策定した多重債務問題改善プログラムを踏まえ、庁内関係部局及び関係機関が共通の認識を持ち連携して取り組むことを目的として、平成21年2月に佐倉市多重債務問題対策連絡会を設置しております。構成する所属につきましては、徴収担当課として収税課、学務課、子育て支援課、社会福祉担当課等として社会福祉課、高齢者福祉課、児童青少年課、自治人権推進課、消費生活センター、関係機関として佐倉市社会福祉協議会が構成員となっております。佐倉市における多重債務に関する相談の現状でございますが、平成23年度多重債務相談に寄せられた相談は19件でございます。次に、消費生活センターに寄せられた多重債務に関する相談は29件でございます。また、法律、人権、行政相談におきましても多重債務に関する相談が8件ございました。これらの相談につきまして、弁護士への相談が必要と判断された場合は、法テラス、千葉県弁護士会などへの紹介をしているところでございます。さらに、千葉司法書士会佐倉支部の協力のもとで行っております司法書士相談におきましても、債務整理に関する相談が平成23年度に10件ございました。また、その他の取り組みとして千葉県の主催による借金及び闇金融、家計に関する相談をことしの7月14日に佐倉市を相談会場として実施いたしました。これまでも庁内関係課には多重債務者を発見した場合、多重債務相談や消費生活相談を紹介していただくようお願いしていたところでございますが、さらに関係部局で連携し、多重債務者を相談へと確実につなげるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(山口文明) 橋岡協美議員。
◆6番(橋岡協美) 今担当部局はどうやら連携していこうという形がわかるのですが、私が相談者だとして伺うと、結局は法律相談はあちらですよ、消費者相談はミレセンに行ってください、何々部はあっちへ行ってくださいということなのですね。全部点なのですね。線でそれをつなぐことはできませんかということを私は今申し上げています。経済状況の低迷に伴い 生活困窮者が増加している中で、市税等を滞納している市民が多重債務に陥っていないかを積極的にお尋ねし、該当すれば債務整理とあわせて各課連携のもと生活再建を図り、結果として徴税率の向上を図っている自治体が先進例としてもう既にあります。つまり冒頭申し上げた滞納解決事務の目的に、市民の生活の再建を加えることが必要ではありませんか。市民の目線に立つことで市税滞納の解消が市民の生活再建も達成できると考えます。佐倉市としてどのように取り組んでいるか伺います。
○議長(山口文明) 市民部長。
◎市民部長(鈴木孝一) お答えいたします。
佐倉市では債務整理につきましては、市の法律、人権、行政相談や消費生活センターなどを紹介し、解決への後押しをしているところでございます。ご質問の生活再建についての相談は市では実施しておりませんが、千葉県から相談事業の委託を受けているVAICコミュニティケア研究所では365日相談所を開設しており、継続的な生活再建の相談、手助けをしております。具体的には生活費の管理の仕方や、また希望者には行政機関へ同行し納税相談等に同席するなどの活動を行っておりますので、佐倉市多重債務問題対策連絡会の構成職員及び市の法律、人権、行政相談の相談員並びに消費生活センター職員への周知徹底を図ってまいります。なお、VAICコミュニティケア研究所による生活再建支援相談を佐倉市を相談会場として10月と2月に実施する予定でございます。
以上でございます。
○議長(山口文明) 橋岡協美議員。
◆6番(橋岡協美) 生活再建に対して県のVAICという組織でバックアップしていくということなのですが、そちらを紹介して最初の徴税率アップにつながったことはあるのでしょうか。
○議長(山口文明) 税務部長。
◎税務部長(藤原文夫) 直接的に数字を拾っているわけではございませんが、いろんなサラリーマン金融等から借り入れしている人の場合は過払いという問題がありますので、過払い金の差し押さえというような手段で解決に導いていくような事例はございます。
以上です。
○議長(山口文明) 橋岡協美議員。
◆6番(橋岡協美) 先進的な自治体の例では、多重債務相談における、今おっしゃっていました過払い金回収と利息制限法引き直し計算により返済しなくてもよくなった債務額があり、またこの過払い金回収金額から税金等滞納金額に充当された金額は、例えば人口5万人規模の自治体では200万円余りの実績がありました。徴税課で取り組んでいらっしゃる公売に関して資料を見ますと百九十何万ということでしたので、それと考えますと、この200万円過払い金を戻して徴税に充てたということは大変大きいのではないかなと思います。各課においては催告書へ法律相談チラシを同封することから始まり、庁内の横断的連携によるワンストップの市民相談でカウンセリングを実施し、聞き取った内容と債務整理や生活再建の目途について、法律家の相談を紹介するとともに情報を提供し、これまでの各部門が個別に行っていた請求をまとめ、相談者の生活や家計も考慮した分納計画に役立て、またこの際に市と相談者との間で個人情報取り扱い同意書というのをもう既にとるのですね。また、過払い金を回収した際に、税金等を受任した法律家が納付していただく代理納付承諾書というのを取り交わし、個人情報の保護に配慮すれば佐倉市としても取り組める事案であると思います。債務整理を受任する弁護士、また司法書士と綿密に連携し、債務整理とともに過払い金等で税や使用料の計画的納付につなげ、またさらには就労支援までつなげ生活再建できれば、本当の市民目線の行政サービスになり得ると思います。こういったワンストップの市民相談の窓口を全自治体に設ける方向で厚生労働省内で検討が始まっていると伺っています。庁内の連携、ワンストップで市民相談を受ける体制づくりをすることで、市民が複数の課を回らなくて済めば市民サービスの向上につながり徴収率をアップでき、職員がより効率的に働けるようになり、市民の生活再建へつながると考えられます。一挙両得どころか3得にも4得にもなると考えられます。先ほどの答弁でどのあたりが市民目線で考えているのかお伺いいたします。
○議長(山口文明) 市民部長。
◎市民部長(鈴木孝一) 市民の方から多重債務等々の相談があった場合には、職員がそれぞれの課にまたがっている状況ございますけれども、先ほど議員からお話もありましたように、点をつなぐような仕組みを考えながら真摯に相談に乗っていきたいと思っております。
以上でございます。
○議長(山口文明) 橋岡協美議員。
◆6番(橋岡協美) 昨日の副市長の答弁で重要な課題は分野横断的に取り組むとありました。このように複数の部局がまたがる場合は、企画政策課であるとか政策調整会議で話し合うのかもしれませんが、ゼロのものを起こすのではなく、既に多重債務についての関連の部局が入った会議がもうあるわけですから、それを種にして市役所で横断的な取り組みをして、このワンストップによる市民相談という体制づくりをしてほしいと思います。佐倉市が今から検討を始めていただくように要望いたしまして、私の質問を終えます。