〇2014年11月25日の小生のブログからの引用です。
『余談ですが、小生の疑問の一つがいまだに解決しません。
それは、「人間は、なぜハラスメントをするのか」です。
「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」(座長:堀田力さわやか福祉財団理事長)の提言
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021hkd.html
をはじめ、各界の専門家が、たくさんの提言・提案をしていますが、どれを見ても、いじめ・嫌がらせをどう防ぐか、
どのようにしていじめ・嫌がらせを回避できるか、といった方法論ばかりです。
根源的な問いはありません。上述の円卓会議の報告書も同様です。
みなさんは、どのようにお考えですか?
そして、どのような解決策を講じているのでしょうか?』
〇当職の現時点での思いです。
上記ブログは、3年近く前の小生の思いです。
因みに、堀田力さんは、元検事です。
当職として、検事の仕事の第一義は、動機の解明にあると理解しています。
ところが、上述の提言においては、「人間は、なぜハラスメントをするのか」という基本的な疑問に何ら答えていませんよね。
堀田会議の提言は、現在におけるハラスメント議論の底流と位置付けることができますから、
その後の議論は、すべて方法論に終始していますね。
当職も、いろいろなチャンスを捉えて質問するのですが、多くは「はぐらかされる」のが関の山です。
下記の厚労省の調査も労作かもしれませんが、当局は、なぜ、根源的な疑問の解決に言及しないのでしょうか。
もっともこのことは、霞が関の共通した認識かもしれませんが。
約3人に1人が職場でパワハラの経験 厚労省調査
TBS系(JNN) 4/29
職場でパワハラを受けた経験を持つ人が、およそ3人に1人に上ることが厚生労働省の調査で分かりました。
厚生労働省が去年、企業で働く男女1万人を対象に「パワーハラスメント」について調査した結果、
「過去3年間にパワハラを受けたことがある」と答えた人はおよそ3人に1人にあたる32.5%に上りました。
2012年に行われた、前回の調査より7.2ポイント増えています。
このうちパワハラを受けても会社に相談しなかった人は40%に上り、理由として最も多かったのは
「何をしても解決しないと思った」で、次いで「不利益が生じる」でした。
同時に行われた企業4500社あまりを対象にした調査では相談窓口を設置している企業は73%で、
予防や解決に取り組んでいたのは半分にとどまりました。
厚労省は「働きやすい健全な職場を目指して対応を強化していく」としています。
「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表します
~全国の企業・従業員を調査し、パワーハラスメントの発生状況や、予防・解決に向けた取組の主な効果・課題を把握~
厚生労働省では、平成24年度以来となる「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」を実施し、
このほど、報告書を取りまとめましたので公表します。
この調査は、平成24年3月に厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」から
「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」が公表されて4年あまりが経過したことを踏まえ、
この間におけるパワーハラスメントの発生状況や企業の取組状況などを把握し、今後の施策に反映させることを目的として実施しました。
今回の調査は、全国の企業と従業員を対象に、平成28年7月から10月にかけて実施したものです。
この調査結果等を踏まえ、厚生労働省では、引き続き職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた施策を実施していきます。
【調査結果のポイント】
(1)パワーハラスメントの発生状況
1:パワーハラスメントに限らず、従業員の悩み、不満、苦情、トラブルなどを受け付けるための相談窓口
(以下「相談窓口」)において相談の多いテーマは、パワーハラスメントが32.4%と最も多い(別添1 P.3 図1)
2:過去3年間に1件以上のパワーハラスメントに該当する相談を受けたと回答した企業は36.3% (同P.3 図2)
3:過去3年間にパワーハラスメントを受けたことがあると回答した従業員は32.5%
(平成24年度実態調査では25.3%)(同P.3 図3)
(2)パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組状況
1:パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を実施している企業は52.2%。
また、企業規模が小さくなると、実施比率は相対的に低くなるものの、
平成24年度実態調査(以下「前回調査」)と比較するとすべての従業員規模の企業で比率が高くなっている(同P.4 図4、5)
2:相談窓口を設置している企業は73.4%。また、企業規模が小さくなると、その比率は相対的に低くなるものの、
前回調査と比較するとすべての従業員規模の企業で比率が高くなっている(同P.5 図6、7)
(3)パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組の主な効果
1:企業がパワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を実施すると、
企業にとってはパワーハラスメントの実態が把握しやすくなるとともに、
従業員にとってはパワーハラスメントに関する相談がしやすくなる(同P.6 図8,9)
2:パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を行っている企業で働く従業員は、
パワーハラスメントを受けたと感じる比率や、パワーハラスメントにより心身への影響があったとする比率が、
取り組んでいない企業で働く従業員に比べて低い(同P.7 図10、11)
3:パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を行うことにより、職場環境が変わる、
コミュニケーションが活性化するという効果が得られるほか、「休職者・離職者の減少」、
「メンタル不調者の減少」などの付随効果が得られる(同P.8 図12)
4:パワーハラスメントの予防・解決のための効果が高い取組として、
相談窓口の設置や管理職向け・従業員向けの研修の実施を挙げている企業の比率が高い。
一方、従業員にとっては、企業がパワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を1つでなく、
複数実施することが、職場の生産性の改善などの効果を感じやすいと回答している(同P.9 図13、14)
(4)パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組の主な課題
1:企業規模が小さくなるにしたがい、相談窓口の設置比率が低くなり、
パワーハラスメントを受けた場合に企業とは関係のないところに相談する比率が高くなることから、
より大きな規模の企業と比べて、パワーハラスメントの実態が把握されていない(同P.10 図7、15)
2:パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を考えていない企業は、取り組んでいる企業に比べて、
パワーハラスメントが職場や企業に与える影響として「職場の生産性が低下する」、
「企業イメージが悪化する」などといったことへの認識が特に低い(同P.11 図16)
3:パワーハラスメントを受けた経験が一度であっても、怒りや不満、仕事に対する意欲の低下などの心身への影響が多く見られる。
また、不眠、休み、通院、服薬などのより深刻な心身への影響は、パワーハラスメントを受けた回数が多くなるほど、
比率が大きく高まる(同P.12 図17)
4:パワーハラスメントを受けたと感じた者が、「何もしなかった」と回答した比率は40.9%であり、
その理由として「何をしても解決にならないと思ったから」、
「職務上不利益が生じると思ったから」と回答した比率が高い(同P.13 図18、19)
5:パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を実施していると回答した企業の比率に比べて、
そうした取組を自分の勤める企業が実施していることを把握していると回答した従業員の比率は低い。(同P.14 図13、20)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000163573.html
平成29年4月28日 【照会先】労働基準局 勤労者生活課