中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

障害者雇用率(実務編)

2013年11月25日 | 情報
○障害者雇用促進法の基本理念

第3条 障害者である労働者は経済社会を構成する労働者の一員として、
    職業生活においてその能力を発揮する機会を与えられるものとする。
第4条 障害者である労働者は、職業に従事する者としての自覚を持ち、
    自ら進んで、その能力の開発及び向上を図り、有為な職業人として自立するよう努めなければならない。

○国の障害者雇用対策
1.事業主に対する指導・援助
 ①障害者雇用率制度
 ②障害者雇用納付金制度等による事業主支援
 ③障害者の在宅就業支援
 ④障害者雇用に関するノウハウの提供
2.障害者の特性を踏まえたきめ細かな職業リハビリテーションの実施
 ①ハローワークにおける職業相談・紹介・職場定着指導
 ②障害者職業センターにおける専門的な職業リハビリテーションの実施
 ③雇用・福祉・教育の連携による支援の充実強化
 ④多様かつ効果的な職業能力の開発
3.障害者雇用に関する啓発
 ①試行(トライアル)雇用
 ②障害者雇用促進運動の実施
 ③障害者団体と連携した広報啓発活動

○障害者雇用率制度―註:現在は、精神障害者は対象外

第43条 雇用する身体障害者又は知的労働者である労働者の数が障害者雇用率以上であるようにしなければならない。

平成25年4月1日から、障害者の法定雇用率が引上げになりました。 一般の民間企業 1.8%→2.0%
註:即ち、50人規模以上の企業は、1人以上の障害者を雇用しなければならない。

○一般企業における障害者雇用率設定基準

障害者雇用率=常用雇用身体障害者数+失業身体障害者数+常用雇用知的障害者数+失業知的障害者数
    常用雇用労働者数-除外率相当労働者数+失業者数
註:短時間労働者は、1人を0.5人としてカウント
註:重度身体障害者、重度知的障害者は1人を2人としてカウント、短時間(20時間以上30時間未満)の
  重度身体障害者、重度知的障害者は1人としてカウント
註:精神障害者については、雇用義務の対象ではないが、各企業の実雇用率の算定時に障害者数に参入することができる。
  ただし、精神障害者保健福祉手帳を所持していることが必要。
  また、平成30年4月より、精神障害者も雇用が義務化される。

○雇用率未達成企業に対する行政措置

第46条 法定雇用率を下回っている事業主に対して、公共職業安定所長は障害者の
  「雇入れに関する計画」の作成を命じることができる。

雇用率未達成企業→「雇入れ計画」作成命令→計画の実施状況が悪いと、①計画の適正実施勧告②労働局、厚労省による特別指導
→勧告や指導に従わないと、企業名を公表

○特例子会社制度

障害者雇用率制度では、障害者の雇用機会を確保することを、個々の事業主(企業)ごとに義務付けられている。
一方、障害者の雇用の促進と安定を図るため、事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、
一定の要件を満たす場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、
実雇用率を算定できることとしている。
また、特例子会社を持つ親会社については、関係する子会社も含め、企業グループによる実雇用率算定を可能としている。

平成25年5月末現在の実績 特例子会社制度 378社  グループ適用 174グループ

特例子会社のない企業グループの算定特例が、平成21年4月に施行されています。
また、同時に「事業協同組合等算定特例」も施行されています。

○障害者雇用納付金制度

障害者雇用は、企業が共同して果たしていくべき責務があるとの社会連帯責任の円滑な実現を図る観点から、
企業の共同拠出により設けられた制度です。なお、納付金を払っても障害者の雇用義務は免除されません。

法定雇用障害者数を下回っている事業主は、一人当たり月5万円を、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構に納付します。
一方で、法定雇用障害者数を上回っている事業主には、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構より、
常用労働者200人超では、一人当たり月27000円の障害者雇用調整金、常用労働者200人以下では、一人当たり月21000円の
報奨金が支給されます。その他に施設設備の改善等に対し、各種助成金が支給されます。

障害者雇用納付金制度の対象事業主は、現在、常用労働者200人超ですが、平成27年4月より、100人超に拡大されます。

○障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案は、平成25年6月19日に交付されましたが、
 施行は、平成28年4月1日、乃至は平成30年4月1日ですので、今回は省略します。

























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