医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

疼痛性疾患の神経障害性疼痛へのビタミンCの作用について その二 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2023-07-01 10:59:10 | 栄養医学、ニュートリシィオナル サイエン
いろいろな疾患による疼痛に苦しむ人が多いと言われています。疼痛性疾患での疼痛の治療において、ビタミンCの役割についての詳細な再検討において、Carr博士とMcCall博士らは、血漿ビタミンC値の低下と痛みの増大との関係に関するヒトでの研究で手術前後のいろんな疼痛症状において、鎮痛作用物質として0.5g~2gのビタミンCを用いました。なお、その再調査は、いろんな疼痛の形態でのビタミンCの作用とその使用方法に焦点を合わせたものです。

Tara Smith博士によると、ビタミンCの血清値は、健常人に比べて帯状疱疹患者ではもっと低く、このことは、帯状疱疹後神経痛のリスクを高める事が分りました、二重盲検テストでは、非経口的(点滴など)ビタミンCの投与により、帯状疱疹後神経痛の発症率の減少と長期の痛みの減少を示しました。

明らかなことに、ビタミンCは、帯状疱疹後神経痛を軽減する可能性が高く、特に、点滴で投与した場合は効果が高いと、報告されています。なお、経口投与より、点滴が効果が高いと言うことで、経口投与が効果がないのではありません。うまくいけば、数年後には、帯状疱疹の治療にビタミンC点滴とその経口投与の併用が増えると、考えられます。また、ひつこい帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の自発痛を弱め、炎症性サイトカインのIL-6とIL-8の血清値を調整することが報告されています。そのほかに、ビタミンCには、関節炎に伴う関節痛を軽減する可能性もあり、体の治癒過程に重要で、免疫システムも強化するのに役立つと、報告されています。更なる研究の積み重ねにより、安全で、有効なビタミンCがいろんな疼痛に苦しむ人々の福音になることを祈っています。

References
Tara Smith. Vitamins and minerals for pain management. 2022.Mar15
Anita C. Carr. The role of vitaminC in the treatment of pain:New Insights.J Transl Med 2017;15:77