医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ガン予防の栄養素・食物について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2018-04-09 16:15:28 | 健康・病気

ガンの原因は、感染や環境要因などいろいろですが、日頃の食事も重要な要因です。ニュヨークのシャクタークリニックのSchachter博士によると、ガンの予防には、野菜、生の果物、全粒粉、それに全粒米など出来るだけオーガニック作物を摂取し、全体的に有機栽培食品と魚介類、豆類などを中心とした食生活に転換することが大切と、言われています。できることなら、酵素補給のため生の果物や、腸内環境改善し、免疫能を高めるため、乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌など腸内環境を改善するプロバイオティクスやプレバイオティクスなどを含む発酵食品の摂取が望まれます。

ガン患者や遺伝的にガンになりやすい体質の人は、これらのガンの食事療法に加え、適正量のビタミン類、必須ミネラル類(過剰摂取に注意、特に鉄)、パパイヤなどに含まれるタンパク分解酵素、オメガー3不飽和脂肪酸、EPA、DHA、ポリフェノール類など植物性栄養素、それに生姜などの抗ガンハーブの適正量の摂取が望まれます。なお、これらの栄養素は、ラットでの実験では、摂取量を増やし、併用摂取すると治療効果が高まると、報告されています。

ミルコ・ペルジェンスキー博士らの研究によると、ハーブエキス(Pao PereiraとRovol Vomitoria)、異常創傷組織形成を抑制するハーブエキス(Ginkgo Biloba)、血小板や白血球を刺激する(特に放射線療法や化学療法を受けたガン患者に有益な)非病原性大腸菌のRNAエキスなどがガンに有効との報告が有りますが、更なる研究が望まれます。別の研究では、発酵小麦胚芽製品、マイタケD-フラクションとビタミンC点滴との併用でガン細胞を抑制し、正常細胞の機能保持に有効との報告もあります。これらはマイルドな効果ですが、強烈な副作用が少ないと考えられ、研究する価値があります。さらに、適度の身体活動の実行と共に、飲酒や喫煙、化学物質、それに、いろんなストレスなどの発がんリスクを減らすことも重要と、考えられます。更なる研究が待たれます。

References
Dr.Schachter. Schachter Center for Complementary Medicine. www.schachtercenter.2009