医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

食事の管理による二型糖尿病対策 その4 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2015-03-02 14:53:55 | 健康・病気

二型糖尿病対策で糖の管理が重要ですが、摂取脂肪の管理も重要です。脂肪にはいろいろあり、食事で有益だったり、害があったりするものも有ります。二型糖尿病患者は、合併症の心臓病のリスクが高まるので、脂肪の選択について情報を集め、その摂取について賢くなることはもっとも重要です。脂肪の中で健康に悪い脂肪と、他に健康に良い脂肪が有りますが、すべての脂肪はカロリーが高く、自分に合った脂肪量を摂取すべきです。

健康に悪い脂肪は、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸です。飽和脂肪酸は、赤身の獣肉、酪農製品、卵などに多いようですが、赤身の獣肉は、摂取過剰により心臓病、二型糖尿病、ガンなどのリスクを高めることが、最新の研究で報告されています。一方、酪農製品の低脂肪プロバイオテイクスの適正量の摂取は、逆に、二型糖尿病のリスクを下げると報告され、また、卵のコレステロールも、食事で摂取する分、血清コレステロールの上昇とは相関関係が低く、2個/日の摂取量では問題がないという研究報告も有ります。しかし、部分的に水素と化学結合した油脂の加工油脂やトランス脂肪酸は、水素を添加するため、腐りにくくなり、食品工業にとって大変都合がいいのですが、ヒトの体には、心臓病のリスクを高めたり、発がんと関係があるという研究報告も有ります。したがって、二型糖尿病患者にとっても体に悪いです。

健康に良い脂肪は、不飽和脂肪酸で、植物や魚由来で、常温では液体です。主な供給源は、オリーブ油、ナッツ、それにアボガド、亜麻仁油などです。この中で、オメガー3不飽和脂肪酸が重要で、それは抗炎症作用により脳や心臓を守ってくれます。主たる供給源は、寒流魚、イワシ、サバ、それに亜麻仁油などで、現代人が不足している栄養素でもあります。オメガー6不飽和脂肪酸とオメガー3不飽和脂肪酸の摂取比を1対2にし、オメガ―6の脂肪酸の摂取過剰を減らすことが、二型糖尿病患者にとって重要です。

●料理では、バターやマーガリンを減らし、オリーブ油を用い、野菜を炒めることが必要です。●料理の前に、獣肉から、見てわかる脂肪を取り除き、鶏肉を料理する前に皮を取り除く必要があります。●ポテトチップス、またはクラッカーの代わりに、ナッツや種子類のスナックを間食に取り入れるのが賢明です。●焼いたり、揚げたりする代わりに、蒸したり、煮たりする方が、発がん性物質や糖尿病のリスクを高める物質の産生を低く抑えることができます。●赤身の肉の代わりに、魚介類を2~3回/週、摂取して下さい。●焼く時は、ショートニングやマーガリンの代わりに、オリーブ油やリンゴソースを用いてください。●ショウガや玉ねぎ、ニンニク、それにプロバイオテイクスなど二型糖尿病に良い食品を積極的に食生活に加えましょう。●飲酒と喫煙は控えましょう。適度の運動をし、過度な、いろんなストレスを少なくしましょう。

食事日誌をつけ、それを管理栄養士に見せ、反省点を管理栄養士に聞き、反省点を日誌の下に記録しておきましょう。

Reference
Maya W, et al: Diabetes Diet &Food Tips. HELPGUIDE. August 20