医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

睡眠時無呼吸症候群と二型糖尿病の結び付きについて 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2015-03-24 21:46:32 | 健康・病気

二型糖尿病の人は、睡眠の質が若い時に比べて悪くなっていると、よく訴えます。欧米での過去20年間での研究では、睡眠時無呼吸症候群は、一次的な血中酸素濃度の低下と睡眠の断絶により、インスリン抵抗性、グルコース不耐性、それに二型糖尿病の進行を相互に関係なく、もたらします。逆に、二型糖尿病は、末梢神経炎の進行、上部呼吸系気道中枢コントロールの異常により、その障害と中心となる睡眠時無呼吸症候群の進行を促進したり、その傾向を強めたりするにちがいありません。

もっと多くの研究が、この二つの障害の間の双方向的な結び付きの基礎となるメカニズムを明らかにする必要がありますが、二つの疾患の共存は、二型糖尿病患者にとって睡眠時無呼吸症候群を含む臨床上の検査を実施する必要があると、考えられます。

二型糖尿病を含む代謝上の機能障害のある患者の睡眠時無呼吸症候群の早期の確認、そして睡眠時無呼吸症候群の患者の代謝異常の確認は、心臓血管病(狭心症、心筋梗塞など)のリスクを減らし、これらの慢性疾患のquality of lifeを改善できる可能性があります。いずれにせよ、二型糖尿病患者の睡眠障害を改善することは、合併症の予防に繋がるので、睡眠導入剤の助けを借りることなく、規則正しい生活、適度な運動、それに栄養療法で二型糖尿病を改善することが重要と、考えられます。

Reference
R Nisha Aurora, et al: Obstructive sleep apnoea and type 2 diabetes mellitus. THE LANCET Respiratory Medicine. Vol 1, No4, p329-338,June 2013