最近、いろんな疾患とアディポネクチン値の関連が注目されています。いろんな研究者の論文をまとめてみると、新しい知見が見えてきます。それを参考に難しい疾患に対する栄養医学的戦略を考えたいと、思います。
血中アディポネクチン値を調べることにより、糖尿病、心臓疾患、ガン、肝臓病などの進行状態が、予測できるようになりました。飢餓ホルモンとして知られている、アディポネクチンは、未だ神秘のベェールに包まれています。新しい発見では、アディポネクチンが、いろんな疾患に対し、新しい治療法への道を開くことができるヒントになる可能性があるようです。
South west 大学医療センターの研究によると、アディポネクチンは、体の中で多様な役割を演じ、その測定値は糖尿病、心臓疾患、あるいはガンなどの進行状態を予測できると、その研究は示唆しています。生物学的機能に関しては、アディポネクチンの役割は、体重を減らすことです。
現在まで、これら異なった現象の間の明らかな関連は認められませんでした。アディポネクチン(飢餓ホルモン)は、アポトーシスとして知られている"細胞の自殺"を促進するセラミド(脂質のサブセット)と相互作用をすることを、この大学の発見は示唆しています。
インスリンと心筋細胞をつくる膵臓細胞の自己自殺の誘導モデルを用い、その細胞にアディポネクチンを入れた時、セレミドは破壊的作用から有益な作用に変わりました。
アディポネクチンは、本質的にこのugly cousinに対し、変化を提供します。高値のセラミドは糖尿病を進行させます。それは膵臓細胞を殺すからです。なお、William Holland博士らは、この発見をモデル動物とin vitroで証明しました。アディポネクチンにより、細胞死からこれらの細胞を守ることができるβ―細胞と心筋細胞の、これらモデルのアポト―シスを利用することにより、証明できました。
アディポネクチンは、インスリン感受性と肥満のコントロールに於いて役割を演じます。アディポネクチンは飢餓を防止する皮下組織に、余分の脂肪を貯えるのに役立つホルモンです。
もっと多くの脂肪が貯えられる時(内臓脂肪など)、アディポネクチン値はさらに低くなり、体は心臓疾患、肝臓病、ガンそれに糖尿病などを発症させ、炎症が起った器官に於いて。脂肪を貯え始めます。しかし、外からアディポネクチンの産生を促す栄養素(EPA,VD,Resveratrolなど)を補給して、その器官の炎症を抑え、疾患の進行を止めることができると、考えられます。
アディポネクチンは大変重要で、脂質に対し"鍵"となる操作因子です。アディポネクチンの役割を理解することは、糖尿病、体重減少、心臓疾患、ガンなどの疾患に対し、よりよい治療法を提供すると、考えられます。現在、世界の研究者は、細胞の生存と脂質代謝に対するアディポネクチンの重要性に注目しています。
ところで、話は変わりますが、肥満、糖尿病、メタボリック症候群の予防基準としての腹囲は、国際基準、日本基準を、一般的な男女の身長差、脂肪量の差、それに筋肉量の差を勘案して、いろんな説が出ていますが、人種によっても差が有るようです。
Reference
Adiponectin Levels could Predict Diabetes, Heart Disease: Kathleen Blanchard , December 28, 2010