医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

関節炎対策とオメガー3必須脂肪酸、プロバイオティクスについて 栄養医学ブログ

2012-04-24 21:58:47 | 健康・病気

多くの研究によると、広範囲の健康状態、特に膝関節炎に於いて、オメガー3必須脂肪酸の有効性が明らかになりました。野菜や種子から抽出した油は、必須脂肪酸の原料になるけれども、ヒトは、これらをオメガー3必須脂肪酸に転換できません。

魚油は高単位のオメガー3必須脂肪酸を得る最もやさしい方法です。関節炎と関連した関節の炎症を緩和するには、EPAもしくはDHA(オメガー3必須脂肪酸)の必要量は、2.7g/日です。その量を摂取するためには、1.23kg/日のタイ、1.1kg/日のマグロ、9カプセル/日の魚油カプセルを摂取することが必要です。

過敏性腸管症候群とリウマチ性関節炎の様な慢性症状は、腸管内の善玉菌が少ない事と関係している可能性があります。プロバイオティクス(乳酸菌などの善玉菌)は医薬品や疾患により死滅した善玉菌を再び増やすのに役立ちます。

Bifidobacterium infantis 35624(ビフィズス菌の一種)は関節炎モデルマウスに於いて、抗炎症作用を示しました。このことから、プロバイオティクスは消化管以外に、抗炎症作用を有する可能性が出てきました。

コークにあるアイルランド国立大学の研究によると、コラーゲンによるリウマチ性関節炎が進行するよう特別に飼育されたマウスに、4種類の細菌株の乳酸菌を摂取させました。関節炎発症前に、少なくとも2週間にわたってそれらを摂取させました。その中で、Bifidobacterium infantis 35624のみが関節炎の発症が遅らし、激しい関節炎の痛みの症状を緩和しました。また、当方の調査では、リウマチ性関節炎でない膝関節炎のヒトが、ビフィズス菌、フェカリス菌、アシドフィルス菌の3種の善玉菌を一ケ月摂取して、痛みが緩和されたのを、少数ですが確認しています。これらのことから、ある種のプロバイオティクスは、膝関節炎に有効だと考えられます。

References

How much omega-3fish oil do you need for arthritis?: Arthritis Australia

Probiotics is good bacteria: Nancy Gottesman, Arthritis Today

Probiotic bacteria shows anti-inflammatory properties: Arthritis Foundation