医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

炎症とプロバイオティクスについて その一 栄養医学ブログ

2012-04-06 22:15:28 | 健康・病気

今回は、プロバイオティクスの抗炎症作用について、いろいろ考察していきたいと考えています。さて、プロバイオティクスは、乳糖不耐症などの消化管のトラブル、過敏性腸管症候群、消化性潰瘍などの克服に関して、大変注目されています。この有益な微生物は、心臓疾患、ガン、それに関節炎などの慢性疾患の原因となる一次性因子の一つである、炎症との戦いに役立つ可能性があります。

炎症は、疾患もしくは感染に対する免疫反応の、生まれつきの性質です。体が、外傷を受けたり、刺激物質の存在を感知した時、その影響を受けた細胞は、血管の透過性をもっと増強する物質である、ヒスタミンを遊離します。損傷を修復したり、病原体を殺すことができるその影響を受けた組織へ、血管から液性物質と白血球を血管透過性により、流入させます。不幸にも、この役立つ免疫反応は、一連の、よく知られた、不快な作用(炎症の主な症状である熱、腫れ、発赤、それに痛みなど)をもたらします。炎症が慢性であるなら、健康上の問題をもたらします。

プロバイオティクスは、それが生きたまま利用される時、健康上の利点をもたらす微生物(善玉菌と呼ばれている)です。あなた方はすでに体内に生きたプロバイオティクスがいます。善玉菌は腸管システムに存在し、感染をもたらす悪玉菌(大腸菌など)による侵入を防ぎます。

プロバイオティクス効果に関する研究では、免疫反応を緩和したり、炎症を緩和する作用について、更なる洞察を提供しています。米国の関節炎財団は、関節炎の症状を緩和するBifidobacterium infantis(乳酸菌の一種)の抗炎症作用を明らかにした、最近の研究を認めています。動物実験では抗炎症作用が認められましたが、ヒトでの更なる研究が、米国で近々に行われる予定です。Bifidobacterium infantisは腸管の炎症を緩和でき、抗炎症作用を有しますが、プロバイオティクス菌の異なった種の間には性質の違いが存在します、従って効果も違います。自分の腸管に合った種を見つけ出して下さい。体調がよくなる乳酸菌の種が自分に合ったものです。どの乳酸菌も体には毒性がありませんが、効果は違います。いろいろ乳酸菌、納豆菌、酪酸菌サプリメントや納豆、ケーフィル、ピクルス、ヨ―グルトなども試してみるのも、一法です。なお、これらは抗炎症剤に比べて、体に優しい治療法です。

Reference

Do probiotics decrease inflammation? :Charis Grey, Aug 18,2011. LIVESTRONG. COM