医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

変形性膝関節症とビタミン、ミネラルについて その一 栄養医学ブログ

2011-08-22 23:18:57 | 健康・病気

変形性膝関節症の予防・治療については、コンドロイチン硫酸、グルコサミン、コラーゲン、MSM、ヒアルロン酸、それに、デビルズクローエキスなどが,日本ではサプリメントとして摂取され患者に喜ばれております。これらに加え、ビタミン・ミネラルなどを適量摂取すれば、さらに効果が高まると、米国の研究は示しております。ここでは、その代表的な処方を紹介します。

ビタミンC, 1000~6000mg/日、VCはコラーゲンの合成と結合組織の修復作用があります。ビタミンA,10000~25000国際単位/日、天然型ビタミンE,400~1200国際単位/日、VEは軟骨を破壊する酵素をを阻害します。ビタミンB複合体(特にVB6)、50mg/日、Proanthocyanidin(ブドーの種の抽出物、もしくはpycnogenol)、100~300mg/日、これは強力な抗炎症作用があります。ピコリン酸亜鉛、30~50mg/日、セレ二ウム、200mcg/日、Copper aspirinate, 2mg/日、Ca, 1000mg/日、Mg,400~800mg/日、マンガン、10~20mg/日、ホウ素、6~9mg/日、ホウ素は変形性膝関節炎の症状を改善します。これらを体調、症状に応じて適量、摂取します。摂取量は個人差があるので、自分に合った量を摂取するのが望ましいです。

硫酸グルコサミンは軟骨の形成ブロックで、障害を受けた軟骨の修復に有益であり、新しい軟骨を作るのに有益です。多くの研究では、グルコサミンが膝関節炎の痛みを和らげることができることを、示しています。グルコサミンの有意な効果を得るには、通常、4~8週間かかります。グルコサミン、1000mg/日、毎日3回摂取、継続摂取します。

ニコチン酸アミド、500mg/日、毎日4回、これは関節炎を治療するのに有益です。メチオニンは250mg/日、毎日4回摂取します。これは軟骨形成に必要なアミノ酸で、膝関節炎の治療において、ibuprofenより、もっと効果があることが、いくつかの研究で示されています。

マツヨイグサ油、ブドウ種油、ルリジシャ油由来のオメガー6脂肪酸や寒流魚(鮭、イワシ、マグロ)と亜麻仁油由来のオメガー3脂肪酸は、膝関節症の治療に有益です。亜麻仁油は、毎日、テーブルスプーン2杯摂取するのがよく、少量のコテージチーズと一緒に摂取すると、よく吸収されます。オメガー3脂肪酸とオメガ―6脂肪酸を併用し、EPA(1000mg)/DHA(500mg)もしくはEPA:DHAの比2:1が良いようです。

牛軟骨とコンドロイチン硫酸を含むサプリメントは有益です。S-adenosylmethionineは、ヨーロッパで過去20年間、膝関節症治療で好結果がでました。

また、多くのヒトが変形性膝関節症で困っていますが、潰瘍性大腸炎の合併症や腸の不調による関節炎は、生きた乳酸菌のヨーグルトやプロバイオティクスが、その免疫能増強作用により、有益です。

Reference

Arthritis Osteoarthritis, Vitamins, Minerals, and Supplements :  Holistic.online.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


糖尿病でのインスリン抵抗性とビタミン・ミネラルについて その三 栄養医学ブログ

2011-08-16 21:35:14 | 健康・病気

糖尿病はもっとも一般的な内分泌系の不調です。その原因にインスリン抵抗性が関係あるといわれております。そこで、いろんなサプリメントがインスリン抵抗性の治療とニ型糖尿病の治療に有用であることが、明らかになりました。適切なビタミン・ミネラルを摂取することは、糖尿病患者にとって不可欠です。

ビタミンCは特に重要です。多くの糖尿病患者は、この重要なビタミンが欠乏しています。ビタミンC(VC)は蛋白質の糖化と害であるソルビト―ルの蓄積を阻害するのに役立ちます。2000mg/日の摂取量では、分割投与とタイムリリーズカプセルが推奨されています。

ビタミンE(VE)は、800~1200国際単位/日の投与量では、グルコース代謝とインスリン感受性を改善します。クロニウムはグルコース値を下げ、糖化を防ぐのに役立ちます。また、コレステロール値を下げます。推奨投与量は200mcg/日で、ニ回に分けて摂取します。Chromium picolinateで販売されています。

ビタミンB複合体、特に、ビタミンB6,ビタミンB12は、葉酸(VB9)と同様、糖尿病合併症を防ぐのに重要です。糖尿病患者は、Mgの吸収がうまくいきません、それで、200mg/日を三回に分けて摂取することは、欠乏症を防ぐのに必要です。クエン酸マグネシウム、マレイン酸マグネシウムなどで販売されています。αーリポ酸は強力な抗酸化栄養素で、グルコ―ス輸送担体ー4の活性を強め、インスリン感受性を高めます。推奨投与量は100mg/日で、三回に分けて摂取します。

バナジウムは、糖尿病患者とインスリン抵抗性症候群のヒトにとって、もっとも重要なサプリメントです。それはインスリンのようにグルコース輸送担体-4を活性化します。硫酸バナジウムとしての50~100mg/日の投与量は、グルコース値を下げるのに大変効果的です。しかしながら、バナジウムの大量投与は、血中グルコース値の急速な低下をもたらします。したがって、熟知した医師の監督のもとに実施されなければなりません。アメリカニンジンが、食後の血糖値のspikeを防ぎます。

多くの糖尿病患者はホルモンのDHEAが欠乏しているので、それを補えば大変有益です。マツヨイグサ、魚油、亜麻仁油、玉ねぎ、ニンニク、そして、いろんな薬草は、血糖コントロ―ルに有益であることがわかりました。

規則正しい運動計画、適切な食事、天然栄養サプリメントの賢明な使用は、血糖コントロールに大変有益であり、コントロールされてない糖尿病患者の長期にわたる合併症を防ぐことができます。

Reference

Insulin Resistance and Diabetes: Hans R. Larsen, International Health News, March 2002

 

 


糖尿病でのインスリン抵抗性とビタミン・ミネラルについて その二 栄養医学ブログ

2011-08-16 16:03:38 | 健康・病気

インスリン抵抗性のメカニズムと糖尿病との関係については、現在、大変注目されています。そして、研究も数多く行われています。日本ビタミンC研究会もそれに注目しています。特に、インスリン抵抗性に対するビタミンCの改善効果を研究中です。さて、ここではグルコース輸送担体がインスリン抵抗性と深く関係しているので、それについて説明します。グルコ―ス輸送担体は細胞膜での糖の取り込みを担う分子で、骨格筋や脂肪組織に発現しインスリン依存性に糖(グルコース)取り込みが増大するグルコース輸送担体ー4や、脳神経細胞・肝臓に発現し、インスリンによる急速な調整を受けないグルコース輸送担体ー1、グルコース輸送担体ー2などがあります。

インスリンは、 血流のグルコースの存在に反応して放出されます。グルコースは、糖、もしくは糖を含む食品、それに炭水化物の単糖類への分解を通じて血中へ取り込まれます。インスリンは細胞内から、特別の蛋白分子であるグルコース輸送担体-4(GLut-4)を放出させるための、細胞の壁に作用する化学的メッセンジャーです。グルコース輸送担体ー4は細胞の外側の膜にくっつきます。そこでは、グルコース輸送担体ー4はグルコース分子をつかみ、グルコースを細胞の内側に運びます。ここでは、グルコースはエネルギーを産生するため使われます。そして、余分のグルコースは脂肪に転換されます。このプロセスは、一定の血中グルコース値が通常、60~115mg/dLで、平均85mg/dLの糖尿病でないヒトの場合です。

糖尿病患者に於いては、血中グルコース値はコントロールされておりませんので、250mg/dLかそれ以上に達します。一型糖尿病(インスリン依存性)の患者は少しか、もしくは全然、インスリンを産生しておりません。なぜなら、膵臓のβ―細胞は正常にインスリンを産生していますが、それが破壊されてしまいます。そこで、外部からインスリンを補充しなくてはいけません。

ニ型糖尿病患者(非インスリン依存性)は、通常、適量のインスリンを産生します。しかし、いくつかの理由により、インスリンがグルコース輸送担体ー4を呼び出すメカニズムが機能しません。その結果、血中グルコース値とインスリン値が高いままです。同じ問題がインスリン抵抗性のあるヒトで経験されています(グルコース耐性不全)が、その程度がより低いようです。

糖尿病、インスリン抵抗性症候群の治療食は、総エネルギーの約60%が炭水化物です。この治療食では、豆、オート麦のふすま、ナッツ、種子、梨、りんご、それに野菜は、食物繊維含有量が高いため、特に大切です。これらには、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれます。グリセミック指数が低い食品は、インスリンをゆっくり放出させ、高インスリン血症を避けることができるので、この食品を摂取することは重要です。さらに、食事療法と運動療法など基礎療法を基にして、ビタミン・ミネラル療法を補充すると、糖尿病の合併症を防げます。しかし、、腎症・透析患者は、透析医の指示を必ず守って下さい。次回に、糖尿病、インスリン抵抗性症候群のビタミン・ミネラル栄養療法について述べます。

References

Insulin Resistance and Diabetes: Hans R. Larsen,  International Health News,March 2002

糖尿病学用語集:日本糖尿病学会、文光堂

 

 

 


気管支喘息とビタミン・ミネラルについて その一 栄養医学ブログ

2011-08-14 18:36:26 | 健康・病気

気管支喘息を含めて喘息の改善では、栄養の改善を通じて、投薬量を減らすことができます。喘息は気道の慢性炎症状態です。喘息による障害では、結局、ずーっと障害を受け、気道の炎症をもたらします。そのことが、さらなる炎症により気道の組織を大変弱くします。そうして、喘息の悪い循環に陥ります。

空気を清浄化することは、炎症を軽くする点で大変重要な予防になることは、一般に知られています。しかし、このことは、大気汚染、ハウスダスト、ノミ・ダニの死がい、それにペットの毛などの室内空気の質の問題により、ますますむつかしくなっていますが、空気清浄器が活躍しています。また、幸い、よく考えられた栄養プランは炎症を減少さすのに役立ちます。そして、それゆえ、喘息の問題点を減らします。

喘息患者は、喘息医療と喘息に伴ったストレスの結果として、ある種の栄養素欠乏に苦しむ傾向があると考える時、戦略的な栄養計画は、特に欠くことができません。もっとも重要なことですが、喘息に伴う症状に対し恩典を提供する栄養素があります。そして、それらは抗炎症作用、抗酸化作用、抗ヒスタミン作用を有します。

喘息患者に恩典をもたらす栄養素

抗酸化栄養素は抗フリーラジカル作用を有し、フリーラジカルは、喘息に一般的である、炎症をもたらします。抗酸化栄養素は新鮮な野菜、果物、豆、海草、それに栄養ビタミン・ミネラルサプリメントなどに多く含まれています。魚油は抗炎症作用があります。魚アレルギーのヒトは控えめにして下さい。週2回は食べて下さい。グルタミンは食物アレルギーのヒト、カンジダ症のヒトに良いです。サプリメントがあります。また、生きた乳酸菌のヨーグルトは、免疫調整作用があるので、気管支喘息に有益です。

喘息患者は慢性的にMgが欠乏しています。Mgは気管支の緊張を緩め、食道の筋肉をなめらかにするのに、役立ちます。ミルク、酪農製品、全粒穀物、ナッツ、豆、緑葉色野菜などに含まれています。ビタミンB複合体(特にVB6,VB12)と共にマルチビタミンは、一般に喘息患者で欠乏しています。葉酸(VB9)は一般的に喘息患者で欠乏しています。豆、エンドウ、レンズ豆、オレンジ、全粒穀物、アスパラガス、ビート、ブロッコリー、芽キャベツ、ホオレンソー、ビタミンサプリメントなどに含まれています。N-アセチルシステインは、気管支粘液を薄める抗酸化栄養素です。パントテン酸(VB5)は抗体の産生をサポートします。多くの食物に含まれています。ケルセチンは自然の抗ヒスタミン剤で、抗炎症作用があります。ネギ科の野菜に含まれていま

Reference

Improving Asthma and Reducing Medication through Nutrition: Indoor Pubrification Systems,Inc.

 

 


放射線被曝の予防・治療と栄養医学的対策について 栄養医学ブログ

2011-08-13 11:29:23 | 健康・病気

放射線被曝の治療法は、放射線による病気の症状に対し、よりよいものでなければなりません。放射線障害予防のためのサプリメントはインターネットやドラッグストアで入手できますが、栄養サプリメントに詳しい医師、薬剤師に相談する必要があります。その際、高品質のものを入手すべきです。

100%、放射線による病気を治す栄養サプリメントはありません。それらはすべて、予防のためのものですが、放射線による発ガンを減らすのに有益です。福島第一原発の爆発による放射線の有害作用について、関心がない日本人はいません。不幸にも放射線による病気の症状がいったん明らかになると、それは遅すぎるかもしれません。しかし、放射線被曝の治療は、ガンの抗酸化栄養素療法と共通点が有りますので、このブログの二月、三月分にガンの抗酸化栄養療法として、紹介していますので、それと併せて読んでいただければ、役立つと考えます。

放射線対策として、放射性物質に汚染された食品を食べず、安定化したヨウ素を含む放射線予防サプリメントを摂取し、放射性物質に汚染された水を飲むのを避けることは、放射線による有害作用を最小限に留めるのに不可欠です。その他の事前対策となる放射線被曝の治療法は、近くの環境の放射線量を最少にすることです。multi tech air purifier という器械は、空気の汚染を効果的に減らし、殺菌作用のある紫外線を発します。これは空気清浄器の一種です。水質に確信が持てないなら、polar pure water disinfectant with iodine crystalsを使う前にそれを前処置しておくことが薦められます。これは水質浄化・殺菌装置の一種です。

放射線の有害作用を減らす方法

放射線被曝の治療は、予防的方法により実施されます。ベストの方法を用いても、放射線被曝の有害作用をすべてを避けることはできません。ヨウ化カリウムのサプリメントは、放射線被曝の標準的予防物質です。それは甲状腺の障害を防ぐのに、大変有効な手段となります。いったん甲状腺ガンのリスクが著しく増大すると、それらの細胞は急速に分裂し、いったん障害が発症すれば、ガンは急速に拡がります。ヨウ化カリウムは治療薬ではありません。それは甲状腺ガンに対し効果的な防護手段ですが、用いることができる他のサプリメントも有ります。それはIdoral で、ヨウ化カリウムとして30mg で、20mgのヨウ素を含んでいる錠剤です。それは放射線被曝に対する理想的な予防作用があります。他にVC、VE などの抗酸化栄養サプリメントも用いられています。

IntraMaxと呼ばれる、動的平衡性100%有機土壌を原料にした痕跡ミネラル複合体は、ミネラルとfulvic acid より構成される濃縮サプリメントで、キレーターとして知られている、自然界に存在する複合分子です。fulvic acidやその他の痕跡ミネラルは、放射能汚染物質の分解と解毒を急速に進めます。また、これらの痕跡ミネラルはMg,カリウム、リン、タウリン、それにCaなどより構成されています。他に抗酸化ビタミンなども放射線防護作用があります。

DTPAはキレート物質で、放射性物質と結び付き、尿として放射性物質を排泄します。また、放射性物質が体内に貯留する時間を短くします。Ca-DTPAはCaから作られ、Znより作られたZn-DTPAより効果が強いです。DTPAは、血小板だけでなく赤血球、白血球を作る機能と拮抗するので、DTPAでの治療を受けるヒトにとって、Znのサプリメントは必要です。

fulvic acid キレータ―のようなキレート物質であるsilver Fuzionもあります。これはイオンの形とコロイド状の中間にあり、体に良く吸収され、利用されます。ところで、福島第一原発の爆発で個人も放射線探知機を持つ必要が生じました。数万円程で入手できます。腕時計型ガイガ―カウンターも発売されています。さらに、毎日、自分の環境の放射線量を手帳に記録しておくことが、将来の晩発性障害の予防・治療に役立ちます。また、放射線量測定器は、精度が正しく、品質が保証された製品であることが、重要です。

References

Cancer Aware: Radiation Exposure Treatment,2011

ガンと栄養: 藤井毅彦、日本ビタミンC研究会、1980