医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

認知症対策とビタミンDについて その一 栄養医学ブログ

2012-10-17 18:48:15 | 健康・病気

認知症と関連したビタミンDの欠乏については、ビタミンDの欠乏を改善すると、アルツハイマー病に対し、脳を守る可能性がある、と研究結果からExeter大学のDavid L Iewellyn博士は述べています。

彼らの新しい研究によると、血中ビタミンD値が低い男女の老人は、認知力、注意力、論理的思考力に関して、問題を有する傾向が、正常値群に比べて4倍程あるそうです。ビタミンD欠乏と老齢期の認知機能の低下、すなわち認知症との間の関連を、この研究は示唆しています。

ビタミンDに対する関心は、近年、更に強まり、更なる研究では、心臓病、ガン、糖尿病などを含む、老化が関係した、いろんな疾患において、ある種の役割を果たす可能性を、示唆しています。

Lewellyn博士らの研究では、米国の老人群を反映するよう注意深くデザインされた研究において、65歳以上の3325名の成人に関する情報を分析しました。そして、ビタミンDの血中値が低値と思考力の劣化との間の関連を立証しました。記憶力と注意力のテストでの成績の不良の可能性は、ビタミンD欠乏群では高く、約42%あり、重度のビタミンD欠乏群ではもっと高く、400%ありました。

体は、十分量以上のビタミンD量を生み出すためには、毎日、数10分間、直接太陽に当たることが必要です。しかし、年を取ると、皮膚はビタミンDを産生するのに十分な機能を持っていません。それで、老人は、ビタミンD欠乏という弱点を持っています。ビタミンD値は血液検査で測定することができます。なお、ビタミンD3は魚やその肝臓に含まれています。ビタミンD2はキノコ類を干したものに含まれています。栄養サプリメントでは肝油ドロップなどに含まれています。脂溶性なので、1,000国際単位/日内の摂取では安全と考えられます。他のビタミンや必須ミネラルと連携しながら作用するので、それらの摂取量によって効果に差が見られる、と考えられます。更なる研究を期待しています。

References

Vitamin D deficiency linked to Dementia: AARP Bulletin, July 13, 2010

食品化学概論:藤野安彦、しょう華房