医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ガンの炎症指数(CRP)の改善とビタミンC療法の効果について その二 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2023-02-02 16:11:38 | 健康・病気

前回に引き続いて、ガンの炎症指数(CRP)とビタミンCの関係について考えていきたい、と思います。リオルダン博士によると、炎症は前立腺ガンにおいて根源的で、慢性炎症は、前立腺ガンの化学的予防と治療への指針となると考えられ、炎症のプロセスは、組織学的には良性の前立腺の増殖の進行に役割を演じます。急性と慢性の炎症性浸潤は、良性前立腺肥大(BPH)の男性から得られた前立腺組織の標本で通常見られ、より高い炎症値は、さらに大きくなった前立腺で観察されます。

このように、ガンの診断と炎症マーカーは深い関係にあり、ガンのビタミンC療法による点滴の場合、その効果を確認するのに大変参考になる、と博士は述べています。また、ビタミンC点滴の場合、50g/回、あるいは70g/回を点滴するかは、腫瘍マーカーのデータやQOLをチェックしながら、臨機応変に点滴量を調整することも重要、と考えられます。更なる臨床データの積み重ねが待たれます。

References

Nina Mkirova, et al. Effect of high-dose intravenous vitaminC on inflammation in cancer patients. Journal of Translational Medicine. 2012, 10:189

Roxburgh CS, et al. Role of systemic inflammatory response in predicting survival in patients  with primary operable cancer. Future Oncol. 2010, 6:149-163