医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

統合失調症とビタミン、ミネラルについて その五 栄養医学ブログ

2011-08-27 15:08:52 | 健康・病気

人体に普通に存在する生理活性物質の濃度を変えると、精神症状を改善できます。

脳の機能は、脳に存在する普通の生理活性物質の分子濃度により、影響を受けます。ヒトに対するこれらの物質の最適濃度は、通常の食事と遺伝上の機構により供給された濃度とは、非常に異なっている可能性が有ります。生化学上、遺伝学上の議論では、栄養医学療法、つまり、脳に重要な、普通にある栄養素の至適濃度をヒトに供給することが、多くの精神症状のヒトに対し、適切な治療法となります。

ビタミン欠乏症による精神症状は、身体症状の表れる前に、長期にわたって観察されます。脳は、他の器官や組織より、生命に必須な物質の変化に、より敏感です。いくらかのヒトにとって、生命に必須な物質の脳・脊髄濃度は、血液、リンパ液での濃度が正常である時、非常に低い可能性があります。生命に必須な物質の血液ー脳関門の透過性の減少のような生理学的異常、あるいは、脳での生命に必須な物質の、濃度の異常を起こす遺伝子は、統合失調症の遺伝子の表現率の増大と関連がある可能性があります。その遺伝子は、一つ、もしくはもっと多くの、生命に必須な物質の、大脳での局部的な欠乏をもたらすことが考えられます。

精神症状に対する、最適の分子環境を脳に作ることが、精神の健康保持に必要です。精神の健康保持には、ビタミンのような、ヒトの体に普通に存在する栄養素の脳での最適濃度が必要です。ビタミンC, ナイアシン、ナイアシンアミド、ビタミンB6, ビタミンB12などのビタミンの大量摂取により、それらの脳での最適濃度を維持することが、予防面、治療面で重要です。これらのビタミンは、ビタミンサプリメントとしてドラッグストアやインタ―ネットで入手可能です。栄養医学に詳しい薬剤師に相談して下さい。また、腎臓の悪いヒトは栄養医学に詳しい医師に相談して下さい。

Reference

Orthomolecular  Environment of Mind:  Linus Pauling, American Journal of Psychiatry.Volume 131, Number 11, 1251~1257, November 1974