医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

二型糖尿病のリスクと緑葉色野菜摂取量の関係について 栄養医学ブログ 藤井毅彦

2014-06-25 15:38:07 | 健康・病気

緑葉色野菜の摂取は、栄養調査などで、その摂取量が多い人は、糖尿病を始め生活習慣病のリスクが少ないことが、以前から報告されていますが、本格的な調査研究は、日本国では行われていませんが、外国では、近年、それが行われましたので、その事について考えていきたい、と思います。

"British Medical Journal"誌によると、レイセスタ―大学のPatric  Carter博士らの研究では、食事において緑葉色野菜を多く摂取する人は、そうでない人に比べて、二型糖尿病の発症リスクが減少している、という結果でしたが、その利点の可能性について更なる調査研究が必要と考えられます。

野菜や生の果物、それに豆類の多い食事は、ガンと心臓病の両方を減らすのに役立っていますが、しかし、野菜と生の果物の摂取と二型糖尿病の間の関係は、栄養調査以外、わかっていないのが現実です。2002年の研究では、その関係が発見されており、英国の成人の86%は、野菜と生の果物の一日あたり推奨量の5品目以下の消費量でした。また、その62%は、3品目より少ない状態でした。不十分量の野菜と不十分量の生の果物の消費は、2000年には英国の2,600,000人の死亡の原因となっている、と報告されています。

Carter博士らの研究によると、220,000人以上の被験者を含む6件の研究の再調査では、一日あたり緑葉色野菜を推奨量の1.5倍余分に摂取すると、14%だけ二型糖尿病のリスクを減らすことが、わかりました。しかし、更に多くの野菜と生の果物を併用摂取することは、このリスクに著しく影響しておりませんでした。小数のメタ分析による研究では、二型糖尿病の予防のための野菜と生の果物の併用摂取の利点が、全体的に不明確でした。ここに、食品や栄養素の効果の検定の難しさがあります。その原因として、検定方法や長期調査の必要性、それに食生活の多様性などが考えられます。、

Carter博士や多くの栄養学者らは、野菜や生の果物がいろんな抗酸化栄養素を含んでいるため、慢性疾患を防ぐ、と考えています。単離された抗酸化栄養素より、野菜や生の果物のように、いろんな抗酸化栄養素や、その他の栄養素をバランスよく含んでいるので、健康により有益、と考えているようです。また、栄養サプリメントを摂取する場合、野菜や生の果物、豆などと多めに併用摂取する事が、必須です。そのことにより、健康効果を増し、また、サプリメントの大量摂取によるリスクを減らせる、といろんな研究は示しています。更なる、調査研究により、野菜と生の果物の利点を期待しています。

References

Green leafy vegetables reduce diabetes risk, study finds: British Medical Journal. August 20,2010

ScienceDaily: Aug 20, 2010