医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

糖尿病によるうっ血性心不全とビタミンCについて 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2013-06-27 18:10:58 | 健康・病気

糖尿病の合併症などにより起こるうっ血性心不全(CHF)は、体の需要に似合う十分な血液を心臓が供給できない時起こります。CHFは、心臓の弁の問題、心臓病(不整脈、心筋梗塞)、高血圧などとしばしば関係しています。症状は、特に活動時の息切れ、足のむくみ、空咳などです。特に、横たわった時息切れが強くなります。

うっ血性心不全は、比較的によく起こり、重大な病気です。老人では、人口の約10%にその症状があります。また、多くの人がquality of life を著しく低下させます。CHFは時がたつに従って悪化し、毎年の死亡率は約10%です。

その原因の一つが、心筋の過剰な酸化ストレスで、酸化は心筋にダメージを与え、全身に血液を送り出す能力を低下させます。抗酸化栄養素の使用は、酸化ストレスを減らし、心臓がより良く働くのをサポートします。ビタミンC(VC)は、心筋細胞にも存在し、また、多くの組織で素早く利用される強力な抗酸化栄養素です。

トロント大学で実施された初期の研究では、点滴によるVCの投与では、CHFでない人の心臓の収縮性を著しく改善し、VCが心臓機能全体で重要な役割を有することを、示しました。これらのタイプの臨床試験は、経口摂取でのVCの作用が実施されていませんが、いくらかの研究では、経口摂取により、重要な血管内皮細胞にVCがどのように働いてそれを改善できるか、を明らかに示しています。

近年の神戸大学の研究では、19名の軽いCHFから中程度のCHFまでの患者で実施し、心臓カテーテル挿入を行い、心機能が調べられました。一つの重要な測定は、心臓の収縮性であり、心臓がどの程度強く血液を送り出すかでした。VCを2g心臓の血管に注入する前後に、収縮性が調べられ、注入後、心臓はVC注入前に比べて、20%ほど強く拍出ができました。あるCHF患者では、拍出の増加は、心臓機能において注目すべき改善でした。ところで、補酵素Q10、アルファーリポ酸、VB1、ニンニクなどを併用摂取すると、更に効果は高まると考えられます。なお、VCサプリメントの経口摂取は、あらかじめ野菜や果物、豆類を多く摂取すると、他の栄養素と協働作用により、VCの効果が高まると考えられます。

 

References

Vitamin C may impact your heart: Daily Herald . com

Foods  with vitamin C may help heart failure patients: Charlene Laino, Nov. 2011, WebMD

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