医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ガンの分子栄養療法、特にビタミンCの作用について その三 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-08-25 20:39:58 | 健康・病気

ハンク博士やホ―二ッヒ博士らの研究では、ビタミンC摂取によるシュ酸への転換は認められるが、量的にごくわづかで、10gまでの摂取では、通常の排泄量(40~60mg)に加えて、60~80mg程度の量が増加し、腎臓結石発症の限界量、300~400mg/日に比べかなり少量ですが、それは人種的には差が有ります。報告によれば、北欧の人々は、東南アジア系の人々より腎臓結石になり易い、とカロリンスカ研究所のデータは示唆しています。多分、北欧の人々は、東南アジア人に比べて、野菜や果物、豆類、それに雑穀の摂取量が少ないため腎結石になり易い、と当方は考えています。また、同じビタミンCサプリメントを摂取しても、前述の理由から東南アジア人に比べて腎結石を発症しやすい、と考えられます。腎臓結石があるヒトでも、ホ―二ッヒ博士によると、1g/日以下のビタミンC摂取量では何ら危険性はないようです。よって、腎臓に問題を抱えていないヒトは、グラム単位の摂取でも腎臓結石の危険性はないようです。胎児に対する毒性、糖尿病の発症の誘発に関しても、大量投与の危険性は認められないようです。

風邪では、8g/日、ビタミンCを一日投与し、305名で40%の症状の改善が見られ、リバウンド反応はありませんでした。肝炎では、ビタミンCを10g/日、5~8日投与し、167名でビリルビン値などの肝炎の改善が認められました。緑内障では、0.4~0.7g/kgを1~10日投与し、73名で眼圧の正常化が認められ、副作用はほとんど認められませんでしたが、一部のヒトで下痢、軽い胃腸の不調が見られました。以上のことから、ビタミンCは天然物なので、第一種医薬品に比べて、安全性が極めて高い、と考えられます。

Reference
A ハンク et al: ビタミンCの大量投与に対する耐性と効果、International Journal of Vitamin, Nutrition, Research , Supplement. Volume22, 1982

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